2000・11
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2000/11/27 (Mon) 6話『竜王の信託』




クロン「ここに来たのは?」

少なくとも、敵ではないと感じた。
もし、敵であればもうすでに攻撃を開始している。
しかし、竜は整列したまま動かない。つまり、この少年が統括しているからだろうと、クロンは思った。


マユル「時空移動――――――。3000年前―――――竜王の信託を得た―――――。―――――そして――――ここへ来た――――。」




シェクスピア「ちょ……!!!時空移動をしてきたってこと!!???」


シェクスピアは取り乱して叫んだ。
クロンはここまで取り乱したシェクスピアを見たことがなかった。
無理もない。
時空移動……つまりタイムスリップは禁呪でも扱うことができない異端中の異端。
禁呪よりも異端魔法とされる魔法……つまり竜言語魔法に属する魔法だ。
本来なら、誰も唱えることができない秘匿の魔法である。








クロン「わかった。そこまではいい。君たちの要望は?」

クロンは冷静に言った。
今までの知識から何となく、時空移動をしてきた竜であることは認識していた。
なぜなら、この時代の世界で竜が1000を数えることはありえない。
それぐらい数が少なくなっているものである。公式では絶滅された種族である。
ならば、過去から引っ張ってくるしかない生命体である。

その上で理解をする。
彼の目的は――――。











マユル「――――匿ってほしい。魔王。」

断るといったら、どんな制裁が待っているのかな?
……クロンは喉に出かけて止めた。

竜族が過去にやった仕打ちというのは歴史書を紐説けばいくらでも出てくる。
かなり悪い意味での仕打ちだが。
それは虐殺とも言える仕打ちをやってきた種族である。

竜族は竜族以外の種族を是とせず、すべての知的生命体を滅ぼすことを決意した。
人間以外の種族である、エルフやダークエルフ・ワイルフ(獣人)すべての生命体が虐殺にあった。
そのため、今でも竜族は畏敬の念で見られているのである。

それは魔王にとっても同様のことである。
むしろ、その事実を知り尽くしているからこそ、戦慄を覚える。

そこまで考えたクロンは一般論を述べた。







クロン「今頃、世界征服は流行らないぞ。」

竜族はプライドが高い。
今も昔もそれは変わらないだろう。
竜族がそう思うであれば……彼女らはクロンの敵である。
そう決意すらもした。


マユル「違う―――――。」

意外にもマユルは否定した。
世界征服には興味がない。そう言う風な雰囲気を感じた。
それがフリなのか真実なのか、初対面のクロンには判断できない部分があった。
しかし、口調だけを見るであれば真実だと感じた。









クロン「なら何が望みだ?」

マユル「――――――保険だ。―――――我々の種の保存――――――。」

なるほど。
竜が滅びる可能性を危惧して、はるか彼方未来に来訪する保険部隊を編成したというわけか。
クロンはようやく理解をした。

現実、今クロンのいる世界では竜族が滅んでいる。
つまり、保険部隊は種が生き残るために編成されている。
暴力に訴えることはなるべく避けたいということなのだろう。











クロン「質問をしたい。」

マユル「僕がわかることであれば――――――。」

クロノ「なぜこの時代に来た?」

初めてといってもいいだろうか。
マユルは少し不可解な表情を見せた。
もっとも、かなりの揺らぎであったためにクロンは多少感じただけであった。
シェクスピアはマユルの揺らぎに気づいていない。

そして、マユルは考える表情をした。
どう答えたらいいか……迷っているような表情であった。

適当に来た……というわけではなさそうだった。
それであれば、すぐにそう答えればいい。
とすれば、この時期に来訪してきたことには意味があるのだろう。

夢の啓司と竜の来訪が重なった。

『世界を愛してください。
 それが貴方の使命です。
 この世界が豊かな種族で満たされるためには貴方の力が必要なのです。
 集めなさい。
 このグッゲンハイムで迫害されている者を。
 それがあなたの使命であり、引いてはグッゲンハイムを守ることになるのです。
 それが魔王の使命なのです。』

これはそういう意味だったのか。
クロンは信じてもいない運命を信じたい気分になった。










マユル「―――――分からない。唯一つだけ言えることがある。」

クロン「なんだ?」

マユル「竜にも生きる権利がある。全ての生命体は等しく生きる権利がある。」

マユルはそう言うと満足したような表情をした。

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