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2011/01/27 (Thu) 最終話

syuugo_convert_20101218170822.jpg


クロン「…………………。」
サツキ「…………………。」
テツト「…………………。」


一瞬、周囲が静寂になった。
それもそうだろう。


テンノミナツと言っても生命体である。
その生命体が亡くなる瞬間ぐらいは、あたりは静寂になる。
言葉もできなくなる。

それは星を滅ぼす憎き破壊竜でも変わらない。



10分。
約10分
完全なる静寂な時が訪れた。


誰も動くことがなく。
敵であるテンノミナツが絶命したことによる余韻に酔いしれていた。











サツキ「…………あ~~~~。
    あああああああ。
    あああああああああ!!!!
    いやっふうううううううううう!!!!!!
    世界が救われましたあああ!!!!!
    すげえ。すげえよ。
    やっぱり魔王と勇者が世界を救いました!!!
    ありがとうございます!!」


テンノミナツが倒れて、暫く。
一番初めに声を出したのはサツキ・クリストだった。






クロン「……そ…そうだな。
    ありがとう。」


言ってしまえば、『世界を救った』で集約される。
しかし、それをサツキが言うとなんだか安っぽく聞こえるのは何故だろうか?
……と考えても仕方ない。


大きく存在感を示すテンノミナツの死骸。
15メートルという体格死んでもなお存在感を示していた。





サツキ「財宝は!!財宝!!」
クロン「やらん。
    結局、時間稼ぎもテツトがやった。
    お前は何もしていないに等しいだろう。」

サツキ「がが~~~~ん。」



あまり残念そうにも見えないサツキ。
世界が救われたのだから、その嬉しさに満ち溢れているように見える。
単純に考えれば喜べばいいのだろうが、どうにもクロンはあまりその気にはなれない。
それよりも安堵の感情の方が高い。


テツトはどうにも複雑な表情を浮かべている。
同族とでもいいのか、状況は良く分からないが、密接な関係があったテンノミナツが死んだことに哀愁の表情を浮かべているようだった。













カレン「………セロ・デュミナスか………。」



カレンは上空を見上げた。
英雄の姿が見えたような気がした。
セロ・デュミナスの姿が見えたような気がした。


その英雄は邪悪な笑みを浮かべた。
そして、何もなかったかように消えた。












サツキ「勇者さまあ。
    どうしたんですか!!??
    ボーーーとしてますよ!!!」

カレン「あ……ああ。
    大丈夫だ。
    問題ない。」


本当に問題なかった。
満身創痍。
死ぬ直前の戦闘不能の怪我を負っていた。
にも関わらず、終わってみれば怪我は治っていた。

怪我がまるで嘘だったかのように。




セロ・デュミナスが力を貸したのか?

……馬鹿馬鹿しい。
全て死んだ奴のおかげにしていたら、現在生きている奴らが浮かばれない。



だが、そう思えるぐらいの奇跡が起こった。
それには違いない。










カレン「さてと、私は帰るぞ。」
クロン「そうだな。」
サツキ「えええええええ!!!
    世界を救った祝賀パーティーとかしないんですかああああ!!!!!」


なんともKY(空気読めない)少女である。
元来から勇者と魔王は戦争状態であり、世界を救ったとはいえ2人で祝賀パーティーをするなんて露にも考えていない。
そんなことをすぐらいだったら、別々にやった方がましである。




クロン「ま…まあ、あれだ。
    祝賀パーティーはするだろうから、それには出席させてやる。
    御馳走ぐらいは食べれるだろう。」

カレン「デュミナスでも大掛かりにするだろう。
    それには参加させてやる。」

サツキ「やったーーーーー!!!!」



戦闘面ではほぼ役に立っていない。
…勇者と魔王の仲介役という面では役に立っている。
実際問題、サツキがいなければクロンとカレンとテツトが一緒の戦場にいることはありえないだろう。


その功績は讃えてもいい。
ひょっとしなくても、彼女は勇者や魔王とは違うアプローチの仕方でこのグッゲンハイムの世界を導くのかもしれない。
……と、カレンとクロンは思い始めていた。    






サツキ「じゃあ、最後に記念撮影をしましょう!!!」

カレン「……マ…マア、イイダロウ。」
クロン「ソウダナ。」

何故かカタコトなカレン。
そして、クロン。


魔王侵攻から10年。
まさか、勇者と魔王が世界を救って一緒に記念撮影をする時がくるなんて夢にも思わなかった。
というのが、本音である。


これがきっかけで、二人が仲直りすれば全く問題ないのだろうが。
そこまで二人の溝は浅いものではないし、カレンとクロンが独断で決めれるものではない。



サツキ「テツオさんも一緒に映りますよ~~。
    早く早く!!」

テツト「テツトだ!!!
    いい加減に覚えろ!!」

テツトもテツトに色々勇者と魔王とは確執がある。
世界が勇者と魔王中心に動いている。
経済も、国際法も。
それを考えると、南の英雄としては考えるべきところはいくらでもない。
仲良くすべて相手ではない。
…というのがテツトの本音である。






サツキ「よし!!!準備OK!!!
    じゃあ、みんな笑ってくださいね~~。
    オートでカメラに映りますからね。
    3,2,1。」




まあ、それでもいいだろう。

3人はそう思った。
世界を救ったときぐらいは3人がそろって笑っていても。
この先どうなるかは、それこそ未知数だ。
勇者と魔王が和解をするかもしれないし、戦争をするかもしれない。
南の英雄が北のデュミナスに戦争を仕掛けるかもしれない。
あるいは西の管理者フェルトと戦争をするかもしれない。


それを考えていると笑えない。
今、世界を救ったという喜びと安堵に満ちている。
ならば、その表情を率直に出せばいい。
この瞬間だけは。





カシャ。





サツキは両手でピースサインをしていた。
クロン煙草をふかして、笑顔になっていた。
テツトは腕を組んで、安堵した表情になっていた。
カレンはサングラスを外して、親指を立てていた。




グッゲンハイム1915年。
それは勇者と魔王が世界を救ったときだった。





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