アズクウェイド
「お前の娘ではある。・・・確かにな。
だが、それは王様の孫である。王族であるには間違いない。」
なるほど。
確かに私の娘ということは王様の孫だ。
1分眼を離していなくなるなんていことは通常ではありえない。
だったら、誘拐か神隠しか。
物騒な言葉に少しながら動揺する。
コイツの言うことはいちいち正しい。
ガシイ。
娘がいないとの見つからないの。
それらが入り混じっている。
私はアズクウェイドの胸倉をつかんだ。
そんなことをやっても全く動じないのがアズクウェイドだ。
もっとも目隠しをしているから。
普通でも感情が分かりにくいのだが。
アルファンガード
「……もう一回言ったら殴るわよ。ううん。今からぶん殴っていい?
私の顔も3度までなのよ。OK?」
アズクウェイド
「俺の口調が悪いのはいつもどおりだ。」
アルファンガード
「……そうね。アンタの幼馴染をやるならね。
これぐらいは寛容にね。しないといけないわね。」
アンタの幼馴染するので一番大変なのはね。
その罵詈雑言を聞くことだからね。」
アズクウェイド
「それを踏まえても幼馴染の価値がある。」
アルファンガード
「ふん。」
―――結局。
アズクウェイドの言うことを飲む。
アズクウェイドの通報。
警察がやってきて捜索隊が結成される。
屋敷をくまなく探してみる。
見当たらない状況が続く。
アルファンガード
「そういやあね。」
アズクウェイド
「なんだ?」
アルファンガード
「死んだアンタの両親に言われたわ。」
アズクウェイド
「何を?」
アルファンガード
「アンタという存在を理解してあげてってね。
アズクウェイドを理解するのは難しい。
母親はアンタを理解できなかった。
父親もアンタを半分ぐらいしか理解できなかった。
思えば、アレは両親の願いだったのね。
遺言にも思えるわ。
アンタは粗雑で口も乱暴よ。だけどね、すごく優しくて献身的ね。
だから、アンタはこうやって探してくれる。色々手段を講じてね。」
事故のときにコイツの両親は死んだ。
アズクウェイドは目を失った。
その事故の前に両親に言われた。
さっきのことを。
思えばあれは遺言であった。
そして、両親の願いであったのだろう。
アズクウェイドという存在を理解するのは難しい。
理解できたのは私だけだ。
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