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2012/12/15 (Sat) 5話

魔王通り2(夜)


シオン
「私は犯人じゃないわ。間違いなく。
 そうよ。あいつは私のことを犯人扱いしたの。許さないわ。」

キリク
「えっとぉ……そんなことを言いそうなのはアンリかな?
 ・・・・・・・・だったら、楽しそうだねぇ」

シオン
「アンタほどじゃないわよ」


そう、先ほど町中の地図を頭に入れようといろんな道をうろうろしていた彼女に。
キリクは楽しそうに話しかけてきたのだ……両手に銃を持って。
明らかに危ない奴でしかないのだが。
街行く人々は親しげにキリクに挨拶をするのみ。
特に手に持ったそれには何も突っ込まない。
その謎の光景になんとも言いようのない危機感を感じ。
なんだか人気の多い。
・・・・というか。
慌ただしげに人々が向かっていく方に流れようとしたときに。
キリクに見つかってしまったのだ。
そして、話しかけられたから先ほどの会話の後。
黙って彼の話に付き合っている次第である。





キリク
「ありがとー。シオンもいい子だよね
 だってさっき、放火の話聞いて、大丈夫なのかって心配してくれたじゃん」

シオン
「それは別に……自分が犯人じゃないって分かって安心しただけよっ!」

キリク
「嘘つき~。顔が赤いぜ?」

シオン
「なっ!・・・・・・もう!!」



くすりと意地の悪い笑みを浮かべて笑うキリクに、シオンが絶句した。
しかし、彼が指摘するとおり。
彼女の頬には明らかに朱が差しており。
一度自覚してしまうとそれが広がるのを押さえられなかった。
普通である。普通に他人の心配はするし、普通に怒る。
記憶喪失ということを抜きにすれば、そこまで不思議と感じない女性である。




笑うキリクにつられるようにシオンも笑った。
それはまるで花咲くように可愛らしく、彼女がクロノス自治区に来て、初めて見せた笑顔。
それを見て、キリクは微笑む。
人が見て安心するような笑みを持っている。
それが普段は無愛想な顔をしているのでなおさら効果があるのかもしれない。
ヒマワリのような笑顔をしている。







キリク
「そろそろ日が暮れるな。帰った方がよさそうだぜ? 
 大丈夫、場所分かる? 良かったら送ってくけど」

シオン
「大丈夫よ……多分。」


そこまで土地勘があるわけではない。
何よりも、クロノス自治区の外に出たのが今日が初めてである。
自信がないのも仕方ないことである。
ひょっとしたら、出たこともあるのかもしれないが。それは記憶がない。
どのみち分からないことには違いない。
だが、それを表面に出すことはなんだか避けたい気分であった。




シオン
「じゃあ戻るわ。
 先に帰ってないと、探されちゃう気がするから。」

キリク
「おう! じゃーな。気をつけてな。」


赤い夕日とキリクの元気のいい声に見送られ。
シオンは大人しくきびすを返す。
今帰るべき。
小さな部屋へと。

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