FC2ブログ
2012・12
<< 1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12/13/14/15/16/17/18/19/20/21/22/23/24/25/26/27/28/29/30/31/ >>
2012/12/16 (Sun) 6話

霍ッ蝨ー陬擾シ亥、懶シ雲convert_20121009175109


シオン
「あらやだ、迷ったかしら……」


場所はクロノスの集合家宅地帯のどこか。
細かい路地が多いため、その内の一つに入り込んでしまったようである。
しかし、先ほどまでは見たことのある場所を歩いていたように……思う。
が、どこで間違ったのかよく分からなかった。
キリクが送るといった手前。他人にも道を聞くわけにもいかず。
そのまま思うように進んでたのがまずかったのだろうか。
・・・・もっとも、クロノス自治区に出るのが始めたなのだ。
迷って当然と言えば当然なのだが。
それでも自分は迷わないだろうという妙な確信があったら、不思議なものだ。
・・・・それが俗に迷う感覚なのだろうが。



辺りに人の姿はなく。
家の中には気配があるが。
わざわざその戸を叩いてまで場所を確認するのも怖い。
シオンは人間だ。
誰が敵になるか、まったく分からない。
そうでなくても、先ほど放火事件なんてものがあったところ。
見かけない者に救いの手を伸ばしてくれる者など・・かなり微妙だ。
ついさっき放火事件があって警戒しているだろう。
・・・・そこまでのことはなくても。
例の放火で住民はナーバスになっているのは間違いないだろう。
まったく面識のない住民の種族の違うものに協力をこうのはシオン自体が恐怖である。
あまり率先してやりたくないことである。
それは最後の手段とした方がいい。


街まで戻る。






時間はかかってしまうが。
そこから辿り直した方が早く戻れるかもしれない。
そう思って、シオンが後ろを振り返ったときである。
それを見たとき、シオンの全身が危機を訴えて、ぞわっと肌が泡立った。
逆光で顔は見えない。
しかし、頭にうかがい見れる獣人の特徴を持つ耳が、アンリではないことを告げていた。
キリクだろうか?
・・・・・わからない。
それにしては妙な威圧感がある。
獣人だからと言って、キリクとは限らないだろう。







シオン
「誰?なに? なんなの?」
 

コトン。

コトン。コトン。





不気味な影が怖くなって。
彼女はとりあえず人影から離れるべく、走り始めた。
とにかくどこでも良かった。
なんでもいいから、どこでもいいから人が行る場所まで行きたかった。
けれど、人影は追ってくる。
シオンと足音を合わせて追ってくる。
もう、訳が分からなかった。
2人分の足音が、静かな道に響きわたる。




コトン。


コトン。コトン。コトン。





離れようとする。
静まり返った空気が気持ち悪い。
自分の息づかいと、
・・・・そして例の足音しか聞こえないのだ。
怖くて怖くて、シオンは縋るように胸元の十字架を握りしめた。
祈って神が救ってくれるとは思っていない。
でも、怖くてなんでもいいから縋りたかった。
十字の先が手のひらに食い込む。
その痛みが、これが現実なのだと知らしめる。
捕まったらどうなるのだろう。あまり考えたくなかった。




コトン。コトン。コトン。コトン。





コトン。コトン。コトン。コトン。





コトン。コトン。コトン。コトン。





コトン。コトン。コトン。コトン。








人影
「シオン?」


どれぐらい経っただろうか。
彼女の名前を呼んだその人影。
彼女は黙って飛ぶように抱きつく。
とにかく誰でも良かった。
追ってくるもの以外であれば、誰でも。





シオン
「ふ・・・ふえええええええええん!!!!」




その言葉を聞いて。
シオンはせきを切ったように泣き出した。
我慢していた恐怖が安心に変わったのだろう。
子供のようにしゃくりあげて泣く彼女に。
アンリが今度こそ動揺を見せる。





アンリ
「な、泣くなよ……。どうしたんだよ。」


弱りきったようにそう言ってはみても。
一度溢れた涙はそう簡単に止まらないわけで。
彼はシオンが泣きやむまで。
諦めたようにその場でその小さい背中を撫で続けた。
さすがのその騒ぎに、というか泣き声に。
周りの住宅から中に住むエルフたちが窓から顔を覗かせる。
そして、泣き続けるシオンと彼女を困ったように撫で続けるアンリの姿を見て。
やがてアンリに冷たい視線を向けた。
確かに見ようによっては、アンリがシオンを泣かせたように見えなくもない。
そんな冷たい視線の中。
アンリは諦めたように小さくため息をついて、シオンが泣き止むのを待った。

スポンサーサイト



未分類 | trackback(0) | comment(0) |


| TOP |

プロフィール

LandM

Author:LandM
この小説を書いている人たちを指します。
作品によっては一人で書いていたり、複数で書いていたりします。
LandMとはその総称です。
よろしくお願いします。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

カテゴリー

月別アーカイブ

FC2カウンター

FC2カウンター

現在の閲覧者数:

FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード