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2013/04/01 (Mon) 4話

仕事絵空(朝)


シオンの祖母
「シオンや・・・・ワシは最後までエルフへの憎悪を忘れたことがなかった。」

シオン
「ばっちゃ。人を憎んじゃいけないって言ってたのはばっちゃだったよ。
 そのばっちゃがどうして憎悪を忘れたことがなかったって言うの?」

シオンの祖母
「それでも。憎しみに駆られてはいけないって分かっていても。
 ワシはずっと憎み続けたかったのじゃよ。」

シオン
「ばっちゃ。」

シオンの祖母
「憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!!!
 どうして私だったの・・・・。どうして私が!!!!!」

シオン
「ばっちゃ!!??」

シオンの祖母
「嫌だって言ったのに!!拒否したのに!!!
あのエルフたちは私を・・・・私を!!!
 憎らしい・・・憎らしい!!!
 私の憎しみを全てエルフにぶつけたい!!



 シュライン国家はいつも奴隷として扱われていた!!
 龍族に!!エルフに!!獣人に!!
 1500年間!!

 ずっとずっとずっとずっとずっとずっとよ!!!!」
 そして、それが終わったら人間の
 デュミナス帝国がでばってきて、この国を支配してきたわ。
 

 亜人を駆逐するための拠点にするためにってね!!


 ふざけんじゃないわよ!!私たちはいつまで奴隷をすればいいの?

 私たちはいつまで誰かの言いなりにならないといけないの?
 エルフを滅ぼすまで?エルフを滅ぼすまで?

 どうなの?龍族を滅ぼした英雄セロ・デュミナスさん?

 セロ・デュミナスは良くない英雄だったかもしれない・・・だけど彼の言ってた事が分かった。
『異種がいなくなれば多少は諍(いさか)いがなくなる』って。



 彼の言うとおりだった!!シュラインはずっと亜人と戦争しっぱなしだわ!!
 エルフなんて滅んでしまえばいい!!!
 エルフなんて滅んでしまえばいいんだわ!!!」

シオン
「ばっちゃ・・・・。」

シオンの祖母
「シオン・・・・・・シオンはどこじゃ・・・・?」

シオン
「ばっちゃ。ここだよ。」

シオンの祖母
「・・・・・・シオン。必ず・・・・・・・裁きを・・・・。」

シオン
「ばっちゃ?ばっちゃ!!!????」




GH1898年。
シオンの祖母は亡くなった。59歳だった。
最後の最後はずっとエルフや獣人に対しての憎しみをつらねていた。
晩年、シオンの祖母は精神的に不安定であった。
年齢による認知症も多少なりとも発症していた。
何よりも感情のコントロールが効かなくなっていた。
ふとしたことで、いきなりスイッチが入りエルフや獣人の恨みを言葉にする。
病気で動くことが困難であるにも関わらず、動いて暴れまわっていた。
シオンの祖母がエルフに暴行を受けたのは40年以上前のことである。
それでも彼女はずっと覚えていた。
エルフに受けた暴行の精神的な傷を癒すことができなかった。
そこまでシオンの祖母は酷い目に遭ったのか。そうシオンは思った。




昔からこういう性格というわけではななかった。
それはシオンが良く知っている。
普段から優しい祖母であった。
人を憎んではいけないということはよく言っていた。
優しく接するべきだとシオンに言い聞かせていた。
エルフや獣人に対する憎しみが出てきたのはそれこそ晩年の死ぬ間際であった。
それまではごく普通の生活を営んでいる祖母であった。





歳で理性がきかなくなったといってしまえばそこまでであるが。
逆にそこまで理性で感情を押さえ込んでいた40年間の方がすごいとシオンは思った。
シオンは父親を早くに戦争で亡くしていた。
母親は仕事の方で忙しかった。
そのため、実質的にシオンの面倒を見てきたのは祖母であった。
精神的な傷が癒えないまま、シオンの祖母はシオンの面倒を見ていた。
もっとも、シオンの母親も腹を痛めて産んで育てたのだが。
シオンの祖母は理性で感情を押さえ込んでシオンの面倒をみていた。
それは間違いない事実であった。

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