FC2ブログ
2013・04
<< 1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12/13/14/15/16/17/18/19/20/21/22/23/24/25/26/27/28/29/30/ >>
2013/04/09 (Tue) 9話

03_convert_20130208075224.jpg

シオン
「・・・・初めましてかしら。ヴァンピール。」



アンリにとっては初めて見る姿。
無機質なゴーグルに拳銃。


そして、獣耳に見えなくもない括った髪。
すべてがアンリにとって初めてであった。


いつものような声で全く違う風貌。
いつもの光景のようで全く違うシチュエーション。
それでいてゴーグルの下に見える口元は笑っているように見える。
実際に笑っているのだが。
シオンにとってアンリに会えることは喜びなのだから。


別に狂っているような笑顔ではない。
純粋に会えてうれしく思っている笑みである。
だが、無機質なゴーグルと拳銃がそれを不気味にさせる。





アンリ
「そうだね。シオン・ミラノス。」




アンリはいつもどおりの風貌である。
だが複雑な笑顔を見せているのはシオンじゃなくても分かる。
その笑顔が悲しみの笑顔なのか、嬉しいからこその笑顔なのか。
怒りによるものの笑顔なのか、切ない感情の笑顔なのか。
シオンが犯人だから悲しみを紛らわせるための笑顔か。
それとも単純に会えてうれしいことの笑顔か。
シオンが犯人を裏切りととらえての怒りの笑顔か。
それとも恋による切なさを訴えた笑顔なのか。



シオンには分からない。アンリ自身も分かっていない気がする。
複雑な感情が入り混じった笑顔なのかもしれない。
それが笑顔ってものなのかもしれない。
大人になればなるほど笑顔に意味が出てくる。
屈託のない笑顔の回数が少なくなっていく。





アンリ
「・・・・・記憶が戻ったのかい?」

シオン
「まだ忘れていることも多いけど。本名や昔のことは少し思い出したわ。
 けどそれだけね。まだまだ思い出せないからアンリに黙っていたけど…。
 
 アンリが事件の捜査を真剣にやっていて、確信をつかみかけていそうだったからね。
 颯爽と逃げ出したってわけ。まあ派手に逃げちゃったけど。」





やはり、とアンリは合点する。
でないと辻褄が合わない。


タイミングが良すぎる。
アンリが犯人が分かった途端ということである。


そのタイミングで逃げるということは。
記憶が戻っていないとしない行為である。
放火のこともある程度自覚しているということだろう。





アンリ
「放火についても思い出す・・・いや、自覚を持ってやっていたのかい?」

シオン
「違う。記憶がフラッシュバックのように出てきたときに衝動的にやっているの。
 ・・・同時にエルフや獣人の憎悪も衝動的にやってくるの。


 それによって、放火をしているの。だから犯行に自覚症状がないの。
 夢の中で放火している気分かしら?


 ……まあ、もともとシュラインの諜報員だからね。
 放火させる知識は多くあったから、随分と楽だったわ。」




随分とタチが悪い記憶喪失だ。
もともとスパイだった。


・・・ということもあるのだろう。
破壊工作のスキルも相当にある。
その上で衝動的に放火を行っているのだ。

随分と・・・・。
あるいは相当にタチが悪い。
それは諜報員なのだから仕方ない。
彼女の経歴を恨むしかない。
恨むしかないが。
それだからこそ、司法取引もできるというわけである。

スポンサーサイト



未分類 | trackback(0) | comment(0) |


| TOP |

プロフィール

LandM

Author:LandM
この小説を書いている人たちを指します。
作品によっては一人で書いていたり、複数で書いていたりします。
LandMとはその総称です。
よろしくお願いします。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

カテゴリー

月別アーカイブ

FC2カウンター

FC2カウンター

現在の閲覧者数:

FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード