太陽がまぶしい。
重ねて言おう。
太陽がまぶしい。まぶしすぎる。
まるでドラキュラみたいな気分だ。
夜勤明けの人間が光を見るとまぶしく感じると言うが。
それを同じようなものだろうか。
それだけ太陽の貴重さを語ってくれる。
携帯を見ると、着信が結構入っている。
トンネルの中では圏外だったが、それが一気にやってきている。
どうやらそれなりに心配を与えたらしい。
とりあえず、職場に電話をかけておく。
「おお~~~生きていたかね!!
いやあ、テレビでキミの名前があったときは驚いたよ。
怪我はしているのかい?」
電話はまず上司が出た。
変わらずのお気楽口調である。
怪我をしているかね?があまりにも軽い。
怪我していてもどっちでもよさそうなのか。
あるいは俺が怪我していないと高を括っているのか。
どちらかは知らない。
とりあえず、怪我をしていないことを伝える。
「じゃあ、今日は休んでもらっていいから、
明日から普通に来てね。」
もう少し休ませろ。
馬鹿野郎。
「ノンノンノン。キミが来なかったら、事業が進まないじゃん。
キミが行かないと売れない商品が溜まっているんだから。」
電話が切れる。
すると、救急隊員が俺に声をかける。
救急車にのって、病院に来てくれとのことだ。
どうやら精密検査をするらしい。
運転手が担架で運ばれた。
俺は手を合わせて礼をした。
空を見上げる。
光がまだ眩しすぎた。
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