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2011/11/02 (Wed) 11話

煙草

カチン。
フーーーーー。




2度目のたばこである。
私と彼の会話では、それは近くに寄れという意味である。
他の人には聞かれないようにという意味だ。
ここまでは建前ということだろう。






私は近くに寄る。
香水のにおいがする。
男の割に色々気にする男だ。
まあ、今に始まったことでもないが。









ユキノ
「……で、その本音は?」

クロン
「アレクサンドラ・トーリノ。
『川獺(かわうそ)のガンランスを持つ男。』


 知っているか?あちらでは有名人だが。
 時折、クロノス自治区の住民を乱暴している。
 シュライン国家西部方面軍遊撃部隊3番隊部隊長。
 戦闘では縦横無尽の活躍を見せ、あらゆるものを破砕しつくす。



 彼のせいで、毎年10人近くの女性が乱暴に遭遇している。
 ……という内偵の調査結果も出ている。

 乱暴もすごいが軍事的能力も指折りだ。
 シュライン西部方面軍では最強とも言われている。
 

 今回の拉致の首謀者だ…といわれている。
 推測であって、事実ではないが。」









ユキノ
「それを殺せって言うんじゃないでしょうね。」








殺しはやらない。いや、止む得ずの場合は仕方ない。
だが、率先して殺しの仕事はしないということだ。
確かに許し難い人物であるには違いない。



だが、殺すかどうかの判別は難しい。
乱暴している人物というのは確かに許されない。


それを私が殺すのはおこがましいことだ。
私はそう思っている。
そういうことだ。









クロン
「それはこちらからは言わないさ。それに今回は救出がメインだ。
 その基本方針を変える気はない。・・・・ただ。」

ユキノ
「ただ?」

クロン
「彼のせいで、ライサ街の何人もの女性が乱暴に遭っている。
 その事実は認識しておいてくれ。ユキノ・ヒイラギ。」

ユキノ
「・・・・・。」







・・・・分かっている。
現実を直視しない夢見る少女と言うわけではない。
この世界では、ライサ街では多くの女性の尊厳が奪われている。
皆はそれを直視せず目の前のことに一生懸命生きている。
誰か力あるものが守らなければならない。
時には殺さないといけないときもある。
それは分かっている。






・・・・・分かってはいるが理屈だけでは駄目なのである。







・・・基本的に。
魔王の依頼に率先して引き受けることはない。
積極的に魔王の協力はしたことがない…ということだ。
たまに人道的な支援をしてきた。そういうことはある。




…しかし、今回のような救出のような依頼は初めてだ。
成り行きもあって、魔王は私に依頼した…ということだろう。
……どうやら、それ以上の裏表はなさそうだ。
彼は確かに打算と策謀に渦巻いている。
だが、私に関してだますということはない。



聞けば答える。
そのスタンスでの関係である。
だからこそ、このような妙な信頼感もできているのだが。

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