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2013/08/10 (Sat) 2話

2話「ヒンメル・ウェスターノ」



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ぺらん。ぺらん。

ページをめくる音だけが会議室で聞こえる。
それは他の国際議員の緊張を呼ぶ。

それだけ事務書記長の権力が伺える。









ヒンメル
「・・・・・・。
 ・・・・・・・。
 ・・・・・・・・。
 ・・・・・・・・・・。」


問いかけられたヒンメル。
それを無視するかのように資料を読み続けている。




当たり前の話だが。
彼女は別に話を聞いていないわけではなく。
それに答える気がないと言うことだろう。
それよりも資料を読む方が大事だと言うことだろう。




彼女は冷たい女性ではない。
むしろ、海よりも深い優しさをもつ女性である。
そういう女性である。


それと同時に海よりも深い厳しさと苛烈さも持つ。
それだけ感情的と言ってしまえばその通りである。













平和を乱すモノに関しては絶対的な厳しさで対応してきた。
彼女に逆らったものは全て消してきた。
ヒンメルの行動で2つ国家の統治機構を潰した。
それぐらい壊滅的な厳しさを持つ。
それは憎悪にも近い。



平和を乱すものは何であっても潰す。
その絶対の意思が彼女にはある。












それを知っているからこそ、周りの国際議員は表情を強張らせる。
下手なことを言ったか。
周りの国際議員はそう思った。

彼女はこの国際議員のもと締めであり、一番の権力者である。
彼女中心にこの国際機関は運営されているといっても過言ではない。



ぺらん。ぺらん。

とんとん。




ヒンメルは資料を全てに目を通す。
そして、書類を整えて静かに机に置いた。














ヒンメル
「・・・先ほどの言葉はこの50年を生き抜いてきた・・・。
 そう、勇者のような方がいう言葉であり。
 私たちのような、若輩者が言う言葉ではありません。
 
 彼らの意思を継ぎ、
 私たちはその先の平和を目指して行かねばなりません。

 今、こうしている間にも。
 飢餓や貧困。
 理不尽な暴力で人が亡くなっていることを忘れてはいけません。

 我々、グッゲンハイム国際連盟職員は
 常に平和とは何かを問い続け、それを充実させることが責務なのですから。」


国際議員
「・・・申し訳ありません。」

国際議員
「ごめん。」


ヒンメル
「いいのです。
 皆様の平和に対する尽力はとても感謝しております。
 たまには自分の功績をねぎらい、褒め称えたいのは理解できます。

 貴方たちなしで今の平和はありません。
 皆さん、ありがとうございます。」


ヒンメルは深く礼をする。
そして、他の議員に歩み寄る。













にこり。


そこに天使のような柔らかい笑顔がある。
金髪のウェーブの髪。
柔らかい頬。膨らんだリンゴ色の赤。
弛んだ唇。
丸みおびた肢体。

ヒンメルは議員の手を握り、優しく笑みを浮かべる。
そのこと自体に嘘偽りはない。



だが、議員は知っている。
これだけの優しさの反対に苛烈な憎悪が存在することを。

それが余計に彼女の権力を駆り立てるのである。




ヒンメル
「本当にありがとうございます。」
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