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2010/04/03 (Sat) 3話『采配』



クロン「……これがあの鯨の少年王の演説か。………世界は本当に広いな。鯨の少年王サハク・シュラインか。この後ろには『北の帝国デュミナス』『西の管理者フェルト』『南の列強ノルデンシュツム』……グッゲンハイム大陸を支配する三つの大国が存在する。本当に……この世界は広い。」


クロンはサハクの演説を聞いて世界の広さを感じていた。
この大陸には様々な国が存在しており、その国ごとに優秀な人材が存在する。
勿論、クロンもその一人になるが、それでもクロン並みの人材は世界には多くいる。
サハクも同じことだ。

あそこまでのカリスマ性を持った王様もそこまではいない。
非凡な才能ある人間の一人だ。





クロン「それで感服するわけにもいかん……オウファン!!クラッシュ ソードは大体どれぐらいで来る!!??」

オウファン「……早くて6時間。」

クロン「そんなに速いか……あの無敵艦隊部隊は。」


まともに戦ってクラッシュ ソードに勝てるわけはない。
クロノス自治区は無敵部隊と戦うことを想定に編成をしているわけではない。
そもそも、戦争をやっていける部隊に編制するだけで手一杯だったのである。
無敵艦隊と立ち向かえるだけの部隊編制などできるわけがなかった。


よしんば、竜と鬼で立ち迎えたとしても、このクロノス自治区に多大な損害が出るのは間違いない。




白旗を上げるか?
いや、今更そんなことをやったところで、クロノス自治区の平和が保障されるわけではない。
もとより、平和条約をとりつけるのであれば、もと早くに動く必要がある。
加えて、条約まで取り付けれたとしても、龍の処分は免れない。
それをマユルが認めるわけもない。



ならば、徹底的にやる。
徹頭徹尾、魔王として戦争をやる必要がある。
クロノス自治区を守るために。


加えて、相手になるべく損害を与えないようにもしないといけない。
これは勿論、クロンの平和主義に基づくものでもあるが、加えて、戦略上の兼ね合いもある。
攻めるアイアトーネ市をズタボロにすれば、基地としての役割もなくなってしまう。

損害を与えず、徹底的に戦う。
矛盾を孕んだようでもやらなければならない。


自分も他人もあまり損害を与えず、戦争を終わらせる……。
そのためにどうればいいか………。


クロン「2時間だ!!2時間でアイアトーネ市を落とす!!」

オウファン「2時間で?どうやって?」

クロン「隕石魔法だ。
    和平に応じなければ、隕石をアイアトーネ市本庁に落とす、と脅しをかける。
    クラッシュ ソードもあそこまでの遠距離から隕石を打ち落とすことは不可能なはずだ。
    あの少年王も市民が大量に死ぬことは避けたいはずだ。
    応じる可能性はある。」

オウファン「……あの少年王を和平に応じさせることは可能なんですか?」

クロン「それだけの状況作りが大切だ。」

今の状況では到底降伏しない。
まずは結界解除部隊は完全に打倒すること。
次にアイアトーネ市を即座に実力行使で陥落させる状況まで追い詰めること。
最後に勇者と止める必要がある。

最低この3つを満たさなければ、到底サハクは和平に応じない。
それはクロンだって分かっている。




オウファン「応じなければ?」

クロン「隕石を落とす。
    どの道、2時間でアイアトーネ市を落とす。
    でなければ、クラッシュ ソードに対応するだけの準備が出来ない。
    そうなったら、本当に泥沼の戦争になる。」




正攻法で戦ったところで時間がかかる。
そして、お互いの損害があまりにも大きすぎる。
正規部隊同士の戦いになれば、万単位の死傷者が出る。



それよりも、常軌を逸した攻撃で本庁を攻撃すれば指揮系統が完全に分断される。
アイアトーネ市は戦略上、重要な拠点ではない。
隕石魔法のような強力な魔法を使えば一発で落とせる。
確かに、首都クラスになれば防壁を張ってあって、そのような攻撃もビクともしないが、アイアトーネ市は違う。
普通の町である。
隕石落としで本庁は十分である。


それで一気に威圧をかけて降伏勧告をしてしまえば、損害は少なくて済む。
方法はともかく損害はかなり最小限にとどめることはできる。



オウファン「しかし、隕石落としとは……。」

オウファンとしては、アイアトーネ市に住んでいた。
それなりに愛着もある。
それを隕石落としをするとなれば、たとえ裏切っているとしても複雑な心境にはなる。
たとえ、ある程度損害がすくなるなると言ってもである。

しかし、クロンは叩きつけるように言った。


クロン「だったら本庁の隕石落とし以外に方法があるか。
    自分たちを守るために。
    なおかつ、攻めるべき相手の死傷者を減らすために。
    戦争を終わらせるために。
    確かに隕石落としのやり方には問題がある。
    道徳的ではないし、常軌を逸しているさ。
    だが、結果として多くの人が死なずにすむ。
    だったら、私はやるさ。
    ああ、そうだろう。
    そうあるべきだ。
    私は魔王だ。
    すべての責任は私、魔王であるクロン・ウェスターノに押し付ければいい。
    恨み言・辛み言はすべて私に言え。
    この戦争に対する責めはすべて私に言えばいい。
    それで、この戦争で死ぬ人間が少なくなるならば喜んで魔王をやってやるさ。」





そこまで言われるとオウファンは立つ瀬がない。
始まった戦争をとめることは簡単ではない。
その損害のすべてを背負う覚悟のあるクロンに反論の言葉は出なかった。



    




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No title 

ちょっと前にロシアに隕石が落ちたから、
ものすごくリアルに感じる。
怖いなぁ〜
衝撃波だけであの惨状。

これしかないのかなぁ。
事ここに至ってもそう考えてしまう。

2013/02/18 23:05 | ぴゆう [ 編集 ]


ぴゆう 様へ 

まあ、これはロシアのあれと違って小規模ですからね。
家一個に穴があく程度です。
クロンがこれを唱えるととんでもない威力になりますけどね。

2013/02/19 08:07 | LandM [ 編集 ]


 

更なる強敵出現で、すごい戦いになってきましたね。
カレンさんだけでも反則なのに!
いや、マユルくん、レイビアちゃんも結構反則ですが。
敵も味方もすごい人が入り乱れ、スケールの大きさに圧倒されています。

2014/11/30 11:30 | 椿 [ 編集 ]


椿 様へ 

この作品は反則のオンパレードなので。
その中で誰が生き残るか。
誰が勝つかがネックになります。
スケールをなるべく大きくするのがこの作品の特徴。

いつもコメントありがとうございます。。

2014/11/30 21:02 | LandM [ 編集 ]


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