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2013/08/30 (Fri) 8話

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8話「酒は蛮勇を与える」





ぐびぐびぐびぐび。


カレンは懐に忍ばせてあるウィスキーを飲んだ。
かなり高級なものであることには間違いない。




「ノルンギリー」。


南の列強ノルデンシュツム国家のウィスキーである。
酒の名門「ギリー蒸溜所」で製造されたシングルモルトウイスキー。
やわらかい天然水。
上質な麦芽を仕込み、ドライイーストで発酵。
丁寧に2回蒸溜させている。
保存している樽にも拘りがある。
バランスがよく、コクのある味わいを生み出す。


「ノルンギリー」は、スミレなどの花の香り、トースト様の香ばしさ。
そよ風ほどのピート香が特徴である。
その味わいは、クリーミーでモルティー、
やがて果物のようなコクを感じさせる。




・・・というのが、勇者カレンの談である。






カレンは味覚に関しては万感のものがある。
カレンの認めた飲食物は全てが完璧であるものしかそう断じない。



困った味覚だ。
カレンは常々言っていた。
こんな味覚がなければ、不味いものでも美味しく食えるのに。
笑いながらカレンはヒンメルに話していた。



顔は赤くならない。
酒には強いのだろう。


大量の白髪に時折見える赤い髪。
髪とサングラスで分かりにくいが顔の皺は隠し切れない。
髪とサングラスがなくなれば、老女であることには違いない。
だがそれがあるからこそ、彼女はいつまでも若く見える。














ヒンメル
「珍しいですね。勇者様がお酒をそこまで飲むのは。」







カレン
「もし30年ぶりの魔王だったら、
 酔ってないとやってられないさ。」



赤混じりの白髪の中から笑顔が見えた。
悪戯を思わせる笑み、邪悪の笑みにも近いものだった。
本当に楽しそうだった。
ヒンメルは20年の付き合いになるが、ここまで笑顔だったときはない。
それぐらいの笑みだった。




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