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2000/10/11 (Wed) 4話『魔女』

クロンは迷い子のように森を徘徊していた。
未開発地である森は無限に広がっているようにも見え、秘境や魔境という言葉を使いたくなるような場所であった。
それでも勝手を知るクロンにとっては迷う要素はない。
地形は熟知しているのである。




それを意図して散歩をしているのである。
しかし、その様子は晴れていない。
景色を眺めて思案しようにもなかなか思いつかないのが実情である。





ギイギイ。
ギャアギャア。

野生の獣の声が聞こえる。
人間社会では住めないようなモンスターとも呼ばれる獣がこの森には多くいる。
顔が三つある番犬ケルベルスや翼をもつ爬虫類であるワイバーンなど人間に甚大に被害を与える動物もここには当たり前のように居た。ここでしか住めないと本能的に分かっているモンスターは大人しくしていた。勿論ー必要な分だけは食べるが、それ以外は食さないようにしている。適度な食物連鎖が行われている森であった。




慣れていない人間がここに来れば、すぐに食われてしまう。
しかし、慣れればあまり危害を加えないのがこの森のモンスターの特徴であった。





魔王と呼ばれている彼はこの森に慣れ切っていた。
ペットや愛玩動物で飼えるぐらいまで懐いているケルベロスもいるぐらいである。
彼らの鳴き声は慣れない者には威嚇にしか聞こえないが、クロンが聞くと心配しているように聞こえるから不思議であった。







クロン「さて……こんなところに長居しても仕方ない……。戻るか。」

森の茂みで少しもの思いにふけったが……結局、クロンの結論は変わらない。
ここでみんなと少しずつ繁栄させる。
それがこの自治区の住民のためである。
少しずつになるがやっていけばいい……そうクロンは判断した。








パチパチ……………。

近くで焚き木をやっている。
秘境とも言える、この場所で焚き火をやっている人物をクロンはあまり知らない。
数えるぐらいしかいない。
動物の方が人口より多いぐらいなのだから。







シェクスピア「ああ、クロン。どうしたの?」

水色の髪の清廉な髪の毛が特徴的な女性……シェクスピアがそこにいた。
焚き火に映し出されるシェクスピアは水色の髪の毛との色どりが調和しており、非常に魅惑的であった。
黒地のワンピースドレスを着こなしている格式高いお嬢様といった印象を受ける。





シェクスピア・ノアール。
魔術王国フェルト国王の3女。年齢は29歳である。
『シェクスピア・ノアール』は偽名であり、本名は『アルファンガード・フェルト』。
しかし、クロノス自治区で彼女を本名で呼ぶものはいない。




探究心旺盛かつ自己中心的な性格であり、フェルト王国禁呪研究所でもその才能をいかんなく発揮していた……のだが、フェルト王国での研究に限界を感じた彼女は禁呪の知識があると思われる場所各地を回り、最終的にはクロンの場所に落ち着く。

クロンは禁呪についての知識をほぼしっているからだ。
現在もクロンのもとで禁呪研究を行っていて、禁呪の理論構築に日夜没頭している。
あくまで自分自身のために。





いまやクロンのパートナーであり、かけがえのない存在である。
愛人かどうかは言葉の定義次第である。
息子が今もフェルトに残している。。






クロン「近くいいか。」

シェクスピア「どうぞどうぞ。」

クロン「ふう。」


王女の家柄を感じさせる格調さと冒険者の逞しさを兼ね備えている不思議な女性である。
長年の旅のせいか年齢以上に歳を取っているように見えるのは、クロンの気のせいではない。
現実に彼女は疲れている。
髪こそは水色で整えられているが、長年の旅の影響で肌の張りが失っているのである。
禁呪の研究に全てを費やしている結果とも言える。




それでも、服装やファッションについては格式高い服を着ている。
それは王族であったことを誇張したいのか、それとも魔力補正が高いという利便性を追求しているのかは分からない。


野生の森で、彼女が焚き火をしているのは妙に不釣り合いであった。
むしろ、豪華なホテルや王室に住んでいるのが適当であると感じさせる女性だった。



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2010/02/01 10:48 | [ 編集 ]


お邪魔しております。 

こんばんわ。『宇藤花菱会』misia2009でございます。ご訪問ありがとうございました。
勇者と魔王の役どころを逆転させた発想と、カラフルな髪にヤラれております。
水色髪がさわやかで美人だけど疲れてる王女というのも面白い設定で、ある意味女心をくすぐります。
…ケルベロスをペットにするとエサ代が大変そうですね!三頭ぶんだから(これが言いたかった)
これからも宜しくお願いいたします♪

2010/10/28 19:52 | misia2009 [ 編集 ]


misia2009様へ 

いえいえ、こちらこそ訪問とコメントありがとうございます。
また寄らせていただきますね。

ケルベロス…どうだろう。
胃は一つなので、結局エサ代は同じなのかもしれないですね。
ミルフィールがケルベロスをペットにしている設定があるのですが、結局全然使ってなかったことを今思い出しましたね。そういうネタも使いたいんですけどね。。。

これからもよろしくお願いします。

2010/10/29 08:35 | LandM(才条 蓮) [ 編集 ]


伝説の生物 

伝説の生物登場させましたか
自分もそういう伝説の生き物好きですよ
ケルベロス飼ってみたいもんだね
子供の頃は可愛いんだろうけど……
シェイクスピアってあの有名な…

2011/02/15 19:16 | ★ハリネズミ★ [ 編集 ]


Re: 伝説の生物 

ちなみにシェイクスピアではなくてシェクスピアですね。
・・・まあ、どっちでもいいですけど。
あのシェイクスピアからとっています。ネーミングセンスはない方なので、こういうのはどっかの名前を借りています。

2011/02/16 06:08 | LandM(才条 蓮) [ 編集 ]


 

こんには^^;
少しお久しぶりになってしまいました(||´・ω・)

シェクスピア=アルファンガードだったのですかっ!
まずそこにびっくりしてしまいました(今さらですよねwww)
最初に読んだ方が外伝的なものであった意味がちょっとわかってきました。
これから何が起こるんだろう‥‥楽しみに読み進めていきます^^;

あ、そうだ、アズクウェイドさんも虹の橋を渡った訳ではなさそうで、ホッと安心している私です。
あれ? アズクさんがああなって、今こうなった、のが正しい解釈‥‥になるんですよね、すみません、読み込み不足です(||´・ω・)

ところでアズクさん、最近大活躍(?)しておられません?
あまりに素敵な扉絵に導かれて入ったページで、アズクさんが酒場らしき所でサラダを食べていたような(*´ω`*)
絵師様の絵が毎回素敵で、クラクラッとしてしまいます。
現在進行に追いつくにはまだまだかかりそうですが、これからもお邪魔させて下さい。
ではでは。

2011/06/24 11:55 | 土屋マル [ 編集 ]


土屋マル 様へ 

今連載しているものは、土屋様が読まれているもののリメイクになります。
なので、ほぼ内容は同一になっています。
まあ、だいぶリメイクを施しているので、そちらも読まれるといいと思います。

わりかし、この世界観は偽名使っている人が多いので注意が必要だと思います。
主人公クラスはほぼ皆偽名を使っています。

いつもコメントありがとうございます。

2011/06/25 08:12 | LandM(才条 蓮) [ 編集 ]


 

ケルベロス・・・。
ハリポタの影響のおかげか
怖いイメージしかないです。

ワイバーンはなぜかポケモンで再生されてしまいました。

2011/07/19 00:09 | ねみ [ 編集 ]


ねみ様へ 

動物は動物ですからね。
・・・・それこそ・・・・トラと同じ?みたいな感じではないでしょうか。
この辺は道の生命体がたくさん住んでいるところの設定なんですけど、いまいち設定が生かされていない感はありますね。

2011/07/19 08:25 | LandM(才条 蓮) [ 編集 ]


 

こうして読み返すと、アルンとクロンの関係がいいよねぇ。
味わい深く感じるなぁ~
グッゲンハイムの世界も何かとても身近に思う。
いいわぁ~
なんかそんな言葉しか思い浮かばない。

傍から見れば魔王と魔女。

今日、コメしてくれた言葉をこちらでもそのまま使いたいくらいだ。
それぞれに過去があって現在がある。
深いよねぇ~

2011/10/17 19:46 | ぴゆう [ 編集 ]


ぴゆう 様へ 

確かにこの二人ははじめっから主人公クラスの二人なので貫禄があります。
どちらも結構年齢が食っている頃ですからね。
それなりに面白い二人だと思っています。
はじめっからこの設定でやってましたからね。
いかにこの物語がいかに詰め込みしているか分かりますね。。。

2011/10/18 16:48 | LandM [ 編集 ]


 

魔物の社会も上下関係があるのかな?
魔王と呼ばれる彼は森に慣れきっていると言うか、魔王は魔物の頂点に立つのだから、襲うと言う事は逆らう事になるし、魔物社会では生きていきにくくなるでしょうからね。

しかし魔王になるまで苦労したのかな?人間と同じで求心力を上げなければいけないし、魔物からの支持を取り付けなければいけないでしょうね。
あのサッカー協会の会長みたいになれば、たちまち求心力を失い失脚するかなって思ったりもします。

おおアルファンガードが出ましたね。懐かしいです。でも王女だからと言っても人間だし、豪華なホテルもいいけど、森でたき火をしたくなるでしょうね。

2015/06/07 23:35 | 想馬涼生 [ 編集 ]


想馬涼生様へ 

ちなみにネタバレ。
この場合の魔王は世間が祭り上げている魔王であって、別に魔物との上下関係があるわけじゃなかったりします。グッゲンハイムは原則、弱肉強食の世界なので、魔物もそれに従ってます。
要するに、魔王が自治区で一番強いので従っています。そのため、力が弱くなると求心力がなくなるのが定説です。

2015/06/08 18:13 | LandM [ 編集 ]


 

ここまで読みましたが、シェクスピアとアルファンガードは同一人物だったんですねー。
やっと物語の点と点がつながりました。

前回の話の感想の続きみたいなものになりますが、アズクエイドは親友のアルファンガードより娘に惹かれてしまったのかなと思いました。
世間一般では心変わりとでもいうのでしょうか。

2020/12/04 02:53 | 荒野のネチコマ(仮) [ 編集 ]


荒野のネチコマ(仮) 様へ 

また、懐かしい作品ですね。
根本的には変わってないのですけどね。
そうですね、アルンとシェイクスピアは同じ人物です。
物語が線になるよう努力しております。

アズクはなあ。。。考えていることが結構奇想天外なので。
その辺は面白い人物だと思います。
基本的に悪人ですけどね。

2020/12/04 05:48 | LandM [ 編集 ]


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