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2000/10/13 (Fri) 5話『魔女との戯れ』


パキン。パキン。
シェクスピアは小枝を折って、焚き火に入れている。
疲れなどを感じさせない仕草はシェクスピアならではとも言える。






クロン「キミはいつだって外で眠るのだな。」

シェクスピア「人生旅みたいなもんだからね。……ここには戻ってくるけど」




それが疲れの原因なのだろうな……とクロンは思ったが口にはしなかった。
もっとも、シェクスピアの場合はそれだけが原因ではないのは明らかだが、それを口にするほどクロンは無粋ではなかった。




黒地のドレスや装飾品は煌びやかだが、それとは対称的に肌は衰えている。
もちろん、ぱっと見れば妖艶な女性だが、よくよく見ればわかる。





クロン「何年ぐらいしていたかな?」

シェクスピア「「さあ?18歳ぐらいからだから……8年ぐらいかしら?」

クロン「もうそんなにもなるか。」

シェクスピア「なるわね。」



彼女は禁呪の研究に没頭している。
それは他人から見ても破滅的とも言えるものであった。
お姫様の身分を蹴って、故郷を失ってでも研究したかったものが禁呪だったシェクスピア。
その悪魔の所業とも言える研究を10年以上もやっていれば、年齢以上の疲れがくるのは道理である。




その彼女の功績で禁呪の論理・プロセスは飛躍的に成長を遂げた。
彼女の尽力で禁呪研究は50年進んだといってもよかったのである。

それぐらい禁呪世界では高名な魔術師である。






シェクスピア「私もこっちにずっといようかしらね。」

それは本音なのか。
シェクスピアは真剣にクロンを見つめて言った。




シェクスピアにとって、クロンの存在は愛情もありそして禁呪研究としても利用価値がある。
そう断じていた。



なぜなら、クロンは禁呪の知識をほぼすべて持っている。
その論理展開などを抜きにして全ての禁呪詠唱の内容を覚えている。
それは非常に大きい。

そもそも、シェクスピアがクロンに言いよっている行為そのものが禁呪の探究である。
それはクロンもよく理解していた。






禁呪を論理化するのがシェクスピアの仕事である。
クロンが禁呪を唱え、シェクスピアがそれを論理構築をする。
それはシェクスピアにとって理想の条件であった。




クロン「歓迎する。」
クロンはそんなシェクスピアの破滅的な言動を察したのか……肯定の意思を示していた。






シェクスピア「いいの?私は人間だよ。」

クロン「魔王は魔物と異端者の味方だよ。」

シェクスピア「なるほど。私が惹かれたのもそれが原因か……ふふふ。」

クロン「そうなるのかな。」


シェクスピアのクラスはメイガス。
禁呪が使いこなせるクラスである。
しかし、禁呪は文字の如くとある理由で禁じられた魔法ということになる。
それを行使するということは、常識からかけ離れた行為を為すということである。
そのため、異端者と扱われるのがメイガスというクラスであった。





メイガスがクロンに惹かれるのは道理であると言えた。








シェクスピア「ねえ……。」

クロン「………ん。」

シェクスピアがキスをせがんでいる。
シェクスピアはクロンに会った当初から、クロンを熱烈に求めていた。
それは今でも変わらない。






シェクスピア「いいじゃない。ミルフィールは寝ているんでしょ?」

クロン「そうだがな……。」

シェクスピアの苦労はミルフィールの比ではない。
クロンはシェクスピアの労苦が分かるからこそ、それを否定しないのである。
否定すれば取り返しのつかないことになる。
そうクロンは確信していた。






シェクスピア「ふふふ…………。」

クロン「まったく……。」


シェクスピアとクロンの唇と重なる。
シェクスピアは吸い込まれるようなキスをしていた。
ミルフィールはもっと与えられるキスなような気がする……とどこか心の中で思っていた。
それは嘘ではなかった。




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衝撃 

もしや……愛人ですかシェクスピアは。
愛人と言われれば納得してしまいますね。
このこと奥さまは知ってるのですか。

2011/02/16 10:29 | ★ハリネズミ★ [ 編集 ]


Re: 衝撃 

知ってます。
もちろん、知ってます。
ミルフィールとシェクスピアの関係は言葉で表すと複雑怪奇としか言いようがないです。

あの二人は精神年齢が非常高いので、
計り知れない打算的なやりとりのもとコメディ展開を繰り広げられています。

2011/02/16 21:13 | LandM(才条 蓮) [ 編集 ]


 

これって・・・浮気にはならないんですよね?
奥様承諾でしょうか。

クロンさん、もしかして・・・。

やばいんじゃないですか?

2011/07/20 02:12 | ねみ [ 編集 ]


ねみ 様へ 

奥様は承諾しています。
特にこの辺は問題視しておりません。
この奥様とシェクスピアは複雑な利害関係の下でこのような関係になっているので。

クロンはあまりよくないです。

2011/07/20 19:17 | LandM(才条 蓮) [ 編集 ]


 

アルンの過去を知ってから読むこのシーンは、
切なく感じるなぁ。
アルンがクロンと交わる時だけ、人になるような。
その唯一の方法がそれなのかなって。
普段は何もかも忘れて、ストイックに研究しているんだと思う。
なんかね。
そんなふうに感じました。

2011/10/21 20:01 | ぴゆう [ 編集 ]


ぴゆう 様へ 

なかなかこの辺はストイックな感じを醸し出しているシーンです。
・・・というよりかそういうところは序盤は多いですね。
アクションシーンもたくさんある作品も多いですけど、この序盤は結構大人な雰囲気・・・・が伝わってよかったです。

2011/10/22 18:40 | LandM [ 編集 ]


 

シェイクスピアは今でも禁呪を研究してるのは、娘のためでしょうね。
そのおかげで研究が50年進みましたが、現時点ではシェイクスピアの本当の目的は果たされないままでしょうね。

シェイクスピアは離婚しているため、自由恋愛ができる立場ですが、クロンはミルフィーユがいるからどうかな?って思います。

2015/07/22 01:27 | 想馬涼生 [ 編集 ]


想馬涼生 様へ 

まあ、シェクスピアとミルフィーユの関係はまた別のお話で触れておりますので割愛。
グッゲンハイムの原則論も含まれているので。

シェクスピアもなかなか大変な道を進んでいます。
その道は破滅へと向かうのですが。。。その辺はまた物語を読んでいただきたく思います。
コメントありがとうございます!!
(*^_^*)

2015/07/22 21:38 | LandM [ 編集 ]


人生旅のようなもの。 

まさにそうかもしれませんね。
シェイクスピアはある目的のために禁呪を研究して、年齢以上に疲れは出るかと思います。それが激務となればなおさらですけどね。

シェイクスピアは家族と別れてひとり身になったけど、クロンにはミルフィーユがいるのにいいのかな?って思ったりもします。

2015/08/23 19:21 | 想馬涼生 [ 編集 ]


想馬涼生様へ 

グッゲンハイムは多夫多妻制なので、基本的に大丈夫ですね。強い人は弱者を守らないといけない観点から、採用されている制度です。

だから、クロンはいくらでも大丈夫なのさ!
まあ、ミルミルが嫉妬するけど。

毎度ファンタジーにコメントありがとうございます\(^o^)/

2015/08/23 19:30 | LandM [ 編集 ]


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