教室には誰もいなかった。
つまり今回のサバイバルで達成したのはこのクラスでは俺だけだったということだ。
優越感は別にない。
さすがにほとんど寝ていないので疲れは溜まっていた。
面談が始まるまで席に着いていよう。
ファー
「お待たせしましたー。」
グラド
「…」
席に着くより早く入ってきたので待ってはいない。
むしろタイミングを狙っていたのではと疑いたくなった。
ファー
「どうしましたー?
席についてくださいねー。」
促されて教卓の前に着席すると担任は名簿をパラパラと捲った。
ファー
「グラディウス・オプトマイン君。
サバイバル実習の達成、おめでとうございますー。」
称賛されているようだが口調のせいか馬鹿にされているような気がする。
さすがにそれは邪推だろうが。

グラド
「ありがとうございます。
これはどのような趣旨の面談です?」
ファー
「そうでしたー。これはですねー。
初期能力判定の結果を基にした育成方針の確認ですー。
大気はスクリーン。光は映像。
かつての姿を映し出せー。」
担任が指を振ると遠見の魔法の一種なのか
昨晩の森の中での俺の行動が投影された。
なんか簡単にやってのけたが
過去の映像記録など結構高度な魔法ではなかろうか。
見た目や口調で侮らない方がよさそうだ。
ファー
「グラディウス君はサバイバル能力が実に優秀です。
戦闘能力についても入学式で見せていただきました。
さてー、グラディウス君。
冒険者に必要なものはなんでしょー?」
グラド
「生き残る事です。」
俺は即答した。
命の危険と隣り合わせの冒険者にとって生きていることこそが勝利。
だからどんな状況からでも生還しなければならないと考えている。
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