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2010/04/20 (Tue) 7話『救済』

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少女「勇者様!!ありがと!!」

カレン「……ああ。おい、他の……お父さんとかは?」

少女「……。」

カレン「どうした?」

少女「魔王のいるところに行ったら、行方不明になっちゃった……。」

カレン「母親は?」

少女「……さっき竜に食われちゃった……。」

カレン「そうか。」


カレンはそれだけ言った。
慰めもしなければ、元気づけたりもしなかった。
両親や大切な人間が死んだときに元気づける言葉なんて存在しないのだ。
そのことをカレンは分かりきっていたので、無駄に言葉をかけなかったのである。








それでもそこにいる少女は泣いたりしなかった。
ただ……生きようとしていた。
そして、カレンにすがろうとしていた。

自分が生きるために。


周囲を見たが、他に生存者はいないように思える。
……いる可能性はあるが、それを探していると時間がかかりすぎる。
探索はカレンの得意分野でない上、人もいない。

この状況下で、むやみに探すのは得策ではない。











カレン「よし、しばらくは私と一緒にいろ。安全になったら……その時解放する。」

少女「うん、わかった。」



龍は倒して、ほっと一息つける時になっていた。
まだまだ家屋は燃えているところはあるが、騒動の元凶がいないために沈静化している。
そして、魔王側が攻め込む雰囲気もない。
このまま安全なところに少女をつれていけばいい……。





いや待て。
カレンは違和感を抱く。



クロノス自治区の兵力は伊達ではない。
市街地を襲ってくる兵力は十分にある。そして、それだけのゆとりがある。
にも拘らず、攻め込まない。


それは何かがあるからだ。
何なのかは分からない。
それは勇者の観点からは魔王がどんな策略を練るかなんて考えるだけ無駄である。


ただ、油断をしないようにするだけだ。












カレン「ほら、ちゃんとついてこいよ。」

少女「うん!!」



赤は破壊の象徴の色か。

火事が起これば、家屋が燃える。
人が燃える。大切なものが燃える。森も燃える。
色々なものが燃え、破壊される。

数多の鮮血が流れるとき、人は死ぬ。
その鮮血を浴びた者は畏怖の目で見られる。

血も、火も、破壊の象徴であることには変わりない。



そんな赤い世界を見て、カレンは思ったことを呟いた。


カレン「クロン・ウェスターノ。
    私はお前を認めない。
    お前がどんなに平和を望もうとも、
    この光景を作り出せるお前は、
    やっぱり魔王なんだよ。
    人間から見ればな。」

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カレンさんの実力だったら、龍を威圧して逃がすよりも斬り殺したほうが楽だったんじゃないかと思いました。

もちろん次のセリフは「ふん、経験値にもならん」で。(なにか変なゲームとカン違いしているらしい(^^;))

2010/04/20 15:57 | ポール・ブリッツ [ 編集 ]


Re: タイトルなし 

ポール・ブリッツ様へ
まあ、確かにゲームでも戦うより逃げる方が大変ですよね。
経験値については確かにそのとおりで、レベル80ぐらいまでは言っているので、今頃闘ってもあまりレベルがは上がらないじゃないかなあ。。。


いつもご愛読ありがとうございます

2010/04/20 21:47 | LandM [ 編集 ]


 

コメントありがとうです。いつもカッコイイこちらのブログ(褒め言葉ですよ!)うちのは結構、小汚いので、小説の書き方も、レイアウトも、絵師の方も、融合してて、いいなあと思います。

2010/04/20 22:22 | ハタハタぶりっこ [ 編集 ]


Re: タイトルなし 

ハタハタぶりっこ 様へ
ご愛読ありがとうございます。
確かにこの作品は融合性は高いですね。高瀬様との相性の問題もあったと思いますがね。我ながら、随分良い方と組めたと思っております。

2010/04/21 06:42 | LandM [ 編集 ]


 

こんにちは、若野です。
読んでいて子供が淡々としてるのが怖いなあと思いました。
戦いの中で生まれた子供には「戦争は終わるもの」という概念が無い場合もあるそうですが、この子の諦観ぶりも恐ろしいですね。

こんな子がカレンさんに一時でも預けられて大丈夫なのでしょうか……そしてカレンさんは子供の扱いは大丈夫なのでしょうか。
そこもちょっと心配です。

2010/04/22 18:51 | 若野 史 [ 編集 ]


Re: タイトルなし 

若野 史 様へ
どうも。LandMです。
子どもが淡々としているのは、アレですね。
高瀬様の絵の関係がありますね。もっと感情豊かな子供を企画段階では計画していたんですけど、絵が思ったよりクールプリティだったのであんな感じにしました。

カレンは少なくともクロンより善人なので大丈夫だと思います。…たぶん。

2010/04/23 14:16 | LandM [ 編集 ]


 

お互いの守るべきものを守るための戦い。
でも、それはぶつかり合わざるを得ない。
どっちが正しく、どちらが間違っているというわけでもないのですが。
哀しいですね。

2014/12/05 13:43 | 椿 [ 編集 ]


椿 様へ 

この作品全般的にいえることですが。
戦争に関してどちらが正しいというのは基本的に書かない。
・・・という視点でやってます。
まあ、絶対に正しいことなんてないですからね。

2014/12/05 17:37 | LandM [ 編集 ]


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