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2010/04/24 (Sat) 2話『誓い』

karesyo_convert_20100424221326.jpg


カレン「さてと……ここなら大丈夫だ。とりあえず、一晩は過ごせるだろう。」

少女「ありがとう。」


街を散策すること40分。
なんとか、避難用の施設に移動することができたカレンと少女。
どこの町でも戦争に備えて、避難用の施設はある。

高レベルではないにしても、結界も張られてあるし、食料の備蓄もある。
1週間は餓えることもない。
民間の避難施設を狙うことは戦略上あまり意味のないことであるため、ここならばなんとかやり過ごせるだろう……というカレンの計算もあった。





カレン「さて……と、私は行くぞ。」

状況が状況である。
クラッシュ ソードのサハクがやってくるとしても、それはもう少し後だ。
それまでは踏ん張る必要がある。
むしろ、カレンが踏ん張らなければ、持ちこたえることはできない。

状況が切羽つまっているのは、クロノスかシュラインか。
……どちらもだろう。


考えるのを止めた。
魔王は敵、シュラインはとりあえずの味方。
とりあえず、国際上はそうでなければ体裁が悪い。
シュラインはカレンの母国のデュミナス帝国の属国なのだから、協力することは何ら国際条約に抵触することはない。
勇者が魔王の味方をやっていたら、色々と問題がありすぎる。



……どちらかと止めなければ、戦争は終わらない。
今は割り切ればいい。


カレンは決意して外に出ようとした。
そこに少女が声をかけた。








少女「勇者様……。」

カレン「なんだ?」

少女は震えていた。
そして、泣き始めた。
それは自分が死ぬかもしれないということからか。
それとも、今まで我慢していた悲しみが込み上げてきたのか。
許容できない出来事が続いたからか。


ここで少女が泣くことを揶揄する者はいない。
いるとすれば、それは鬼畜かその所業だ。
それぐらいに少女はただ純粋に泣いていた。

涙腺がたまり、ポロポロと泣き始める。
それでも少女はカレンを見た。


はっきりとした瞳で。
意思を持っている強い目をしていた。






少女「この光景を作ったのは……向こうにいる魔王よね。」

カレン「だとしたら?」

少女「パパとママを殺した魔王をころして下さい。」



――――――――――――泣きながら、少女は言った。
勇者はサングラスを外して答えた。





カレン「勇者の名に懸けて。」


カレン笑って言った。
決して、殺人に対する快楽から出た表情ではない。
カレンその笑顔は誰よりも純粋で、誰よりも心優しい慈悲に満ち溢れた表情だった。

カレンはもともと純粋で素直な性格である。
それが故に、感情の赴くままに悪者を殺し、感情の赴くままに弱者に優しくする。
ただ、悪者殺しの残虐さが誇張されるだけの話である。


少女と誓いを交わしているカレンの姿は―――――――紛うことなき勇者であった。


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うわ~……。

バッドエンディングのフラグが立ったような気が(^^;)

万事丸く収まるエンディングなど戦争ものでもとから期待してはいませんが、

こうして物語上「魔王が生き延びるなんて人として許しません!」的シーンが語られると……。

うーむ……。

魔王さんの奥さんなんとかしてください。この話に、将来希望の持てるエンディングを迎えさせることができるのはあんただけやあ~……。

2010/04/25 12:07 | ポール・ブリッツ [ 編集 ]


Re: タイトルなし 

ポール・ブリッツ様へ

勇者は勇者らしいイベントを。
魔王は魔王らしいイベントを。
……が、一種のキャッチフレーズですからね。
この作品は。

結果がどうなるかは書き終わっているので、それから変更する気はないですが……というか、ご意見ごもっともですね。戦争では真の意味のグッドエンディングはないですからね。
まあ、どうなるかはまたご覧になってくださいね。

いつもご愛読ありがとうございます~~。

2010/04/25 15:18 | LandM [ 編集 ]


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