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2010/05/13 (Thu) 4話『母親の影』

ダージリン「別にさ、どっちでもいいのよ。
      私はね。
      アンタが虐殺者だろうが。
      それとも勇者だろうが。
      そんなもん、風聞なんだから。
      事実は一つ。
      アンタは私の娘。
      以上。
      それに異論を唱える人はいないでしょ。
      まあ、父親が誰かは……て言うのは確定事項じゃない時はあるけどさ。
      いいじゃないの?
      人殺しをするなら、とことんやってみなさい。
      勇者になりたかったら、とことんやってみなさい。
      じゃないと、張り合いがないから。」


カレンの夢の中で、母親の夢を見ていた。
『ダージリン・エスターク』。別名、『偉大なるお茶の伝道師』。
グッゲンハイム大陸にお茶の文化を伝えた功績からたたえられた母親。
この大陸で、彼女の名前を知らない者はいない……それぐらいなまでにお茶の文化を世界に浸透させた人物だった。
存命中であるにもかかわらず、彼女の名前は教科書にでも扱われるほどだった。


ダージリン「茶がない国は野蛮だ。」
彼女のこの言葉を受けて、各国はお茶の礼節・香り・味を真剣に取り組むようになった。


そんな世界的に有名な母親の娘であったのが、カレン・エスタークだった。


カレンはダージリンに憧れている節があった。
ただ、世界各地にお茶の文化を伝えたから憧れているわけではない。
ダージリンの生き様はそれこそ激動だった。そこから滲み出る貫禄はカレンすらも圧倒させた。


最初の夫には流行病で死なれた。
貴族として残されていた全ての私財を投げ打って、お茶の会社『エスターク・カンパニー』を創設した。

彼女の才能は非凡だった。
彼女には万感の味覚と嗅覚があった。
貴族として育てられた礼節があった。

貴族の面汚しとまで揶揄されながらも、彼女はお茶の文化を伝え続けた。
彼女のお茶に欠ける情熱は誰から見ても圧巻であった。
その間に2人の男性と再婚したが、価値観の違いからすぐに離婚した。
彼女にとって、最優先なのはお茶なのである。



そんな母親に追いつけるものなら追いついてみろ。
ダージリンはカレンに対して、いつもそのようなことを言っていた。
全く分野が違うが、それはそれでとことんやってみろと言うことなのだろう。


ダージリン「あの娘は少しやんちゃだから。」
どんな暴挙をしても、ダージリンは笑って対応していた。



まだだ。
まだ自分はそこまで到達していない。
彼女ほどの高みまで到達していない。
確かに軍人と文化人としての分野の違いはあれど、まだ高みに到達していない。
それはカレン自身も分かっていた。

勇者とは何か。
虐殺者と何が違うのか。
まだ分からないことだらけだった。





カレン「………まだ、いける。」
カレンは目覚めた。

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