クロン「ガキは楽でいい。
チェスのように動いてくれる。
唆せば、そのとおりに動いてくれる。
戦争ではチェスのように動く駒が必要だ。
そして、その効果もな。」
クロンは状況をみて、ほくそ笑んだ。
確かにここまで考慮に入れて動いていたわけではない。
計算に計算を重ねたわけでもない。
自軍の戦力を利用して、叩く予定であった。
その戦力でアイアトーネ市の戦力を潰せるだけの勝算はあった。
まだ見せていないモンスター部隊もいる。
正規部隊のエルフの重歩兵部隊もいる。
そのほかにも様々な戦力がクロノス自治区にはある。
それを駆使すれば、アイアトーネ市は叩ける。
それだけの計算をしていた。
それを変えたのは言うまでもなくレイビアの鬼部隊。
鬼の召還はこちらの戦力を一つも減らさない。
レイビアだって、死ぬ気では戦わない。
危険を感じたら撤退するだろう。
それまではギリギリまで使う。
クラッシュ ソードが迫っている段階で兵力の無駄遣いなどしない。
そんなことをするよりも、レイビアを唆している方が簡単で確実だ。
何より、危険度が少ない。
少年少女は純朴に戦っていればいい。
クロンはクロンで、その信念をも計算に入れて戦略を練ればいい。
それが大人なのだから。
クロン「大丈夫だ。これで勝てる。」
苦労は重ねている。
いらないペナルティも喰らった。
だが、それを乗り越えて、龍も鬼もクロンの思い通りに動かしている。
この戦争という極限状況で。
その姿はやはり誰が見ても魔王だった。
クロン「アズクウェイド。時間は。」
アズクウェイド「後、10分だ。」
チェスは詰めに入っている。
後は、カレンを排除して隕石落としを敢行するだけの状況を作る。
そして、脅しをかける。
マユルもカレンを倒すために動いてくれている。
第一次魔王侵攻。
その終局が近づいている。
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