2017・10
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2017/10/14 (Sat) 3話

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3話







菜月
「・・・・・まるでピンと来ない。」


卓也
「皐月!!」


菜月
「本当のこと!!
 まるでどこかの他人の人生を聞かされた感じだった!!」



卓也
「それでもお前は『緒方 皐月』だ。
 見間違えるわけがない。」






多分。
卓也さんの言っていることは真実なのだろう。
嘘は言っていない。

自分が申し訳ないながらも暴力を振るったこと。

嘘偽りなく話しているのだろう。


そして、ボクが「緒方 皐月」であることも間違いないだろう。






・・・・それでも。
全く、ボクの記憶に揺さぶられない。
喪失した記憶は戻ってこないのである。






聡明
「あ~~~~~~あ~~~~~~~。
 あれだ。どのみち、今目の前にいる女性は戸籍として。
『篠原 菜月』と登録されている。

 身元が分かったら、どちらの戸籍を選ぶかの権利が発生する。
 どちらかの戸籍は捨てないといけないから。
『篠原 菜月』か『尾形 皐月』か。」



菜月
「ボクは『篠原 菜月』です。」


卓也
「皐月・・・・。」



菜月
「皐月じゃない!!」





そこに生じた心。
それは拒否の精神だった。

自分は「緒方 皐月」ではないという拒否の精神。
それがボクの中で生まれた。


絶対に違う。
ボクは「緒方 皐月」などではない。
そうした絶対拒否の精神がそこにあった。









菜月
「卓也さん・・・記憶についての『情報』を頂いたことは感謝しています。
 これで虐待の件も不問とします。
 許します・・・・。


 それがあったから、
 今は聡明さんという素敵な旦那さんに会えたのですから。」



卓也
「ぐ・・・・・う・・・・・・う・・・・・。
 うああああああああああああああ。。。。。。。。。。」




うなだれるように。
卓也さんは泣き始めた。



まるでそれが自分の罪であるかのように。
自分が虐待をしてしまった断罪であるかのように。
泣き崩れてしまっていた。








・・・・・・・・・・・。












・・・・・・・・・・・・・・・・・・。












・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。










卓也
「すまなかった。。。お前の記憶を喪失させることになって。。。」



菜月
「いいですよ。それでボクは本当の幸せを得ることができたのだから。」





和解。
氷解した。
・・・そのような精神ができた。




目の前の人卓也さんがボクを虐待した。
そして、その結果記憶が喪失した。

・・・だけど、記憶を喪失した結果、ボクは聡明さんに会うことができた。
本当の幸せを手に入れることができた。


そういう因果が巡っていた。
それならば。


目の前の卓也さんに戒めることもできるが。
感謝もしても良い存在であることが認識できた。



ボクは赦すことができた。
ボクの記憶を喪失させた目の前の男性を赦すことが。



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