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2018/06/09 (Sat) 5話(11月10日10時 アンリ)

ミルフィール立ち絵02

5話(11月10日10時 アンリ)





ミルフィール
「ああ、あとですね。多分、今魔王さまは愛人のシェクスピアさんと一緒にいるんじゃないんですかね?
 正妻の私は放っておいて。愛人と。シェクスピアさんとふたりで……多分ですけど。
 ふふっ、本当になぁにやってるんでしょうね?」



ミルフィール様はニコニコ笑っている。
「本当に困ったお人です」なんて言いながらほわほわと笑っている。

……マズイ。
何がマズイって、なんかよく分からないけど何かが良くないってことが分かる、っていうこの感じ。
なんとなくだけど室温が少し下がった気がする。
いや、窓も開いていないし誰かが入室してきたわけでもないから、温度が変わるわけはないのだけれど。
でもなんか……寒い。





アンリ
「コホン。ミ、ミルフィール様、よろしければ少し休憩なさいませんか?
 私が紅茶を淹れてきますので、お茶菓子の準備をしていただけると助かります」



ミルフィール
「むぅ、また様付け……でもいいです。アンリさんの紅茶は美味しいので許してあげます。
 お菓子を準備しますね~~」


アンリ
「はい、宜しくお願い致します」

……助かった。
なんかよく分かんないけど、とりあえず助かった。

鼻歌を歌いながらお茶菓子の入った棚を物色しはじめたミルフィール様を横目に、心の奥底から安堵する。

でも、いったい何が良くなかったのかはまだ分かっていない。
あとで妻に電話して聞いてみよう……女性の心は女性の方が分かるかもしれないし。
そんなことを思いながら僕は紅茶の缶を開けた。









アンリイラスト



シオン
「はぁ~~……ほーん……ふぅぅぅぅん……へぇぇぇぇ?」

アンリ
「……シオン、僕はなにかマズイことを言っただろうか」

電話の向こうでなにやらあきれ返ったような声が何度もして、最後に盛大なため息をついた。



電話の向こう側にいるのはシオン。僕の妻である。
なんやかんや色々な事件を乗り越えて彼女と出会い、魔王に全力でからかわれながら結婚した。





シオンがどんな女性かと言われると、一言で言うなら「強い人」だろうか。
魔王相手に臆せずモノを言えるのはともかく、必要であれば実力行使にも及ぶ。
「教育」の名のもとに何度かぶん殴られたことがある。
魔王が煙草を吸っているところに出くわして「室内禁煙!」と吠えて足蹴りを食らわせたりしたこともある。
しかし、そんなアグレッシブさを持ちながらも、なんだかんだ彼女は空気が読める。
だからなのかシオンはもう一度ため息をつくと、僕へ諭すように話し始めた。








シオン
「あのね、アンリ。わたし、アンリが馬鹿だってことは重々知っているし、
 馬鹿だって知ってて結婚してあげたけど、それでも時々貴方は本当に馬鹿だ、って思うわ」


アンリ
「ひどい。ひどすぎる」

シオン
「あのねぇ……ミルフィールさんの旦那さんは誰?」


アンリ
「魔王」

シオン
「そう、煙草が好きでぐうたらで全然働かなくて今も行方不明の魔王の奥様なの。
 わかる? 奥様なのよ」


アンリ
「そうだ。それは分かっている。あの方の正妻だからこそミルフィール様は政治に関わり、
 表舞台にも出て下さっている。

 あんなダメ夫を愛してくれる、最高の奥様だと僕も思っている」




シオン
「それが分かっているなら結構……あのね、だからこそ不安で不満なのよ。

 自分は正妻なのに、今のクロンは自分に連絡もまともに寄越さないで愛人と一緒にいるかもしれないの……
 本当は嫌なのかもしれないわね。あのひとは表には出さないし、
 クロンに知られないようにもしてるかもしれないけど」



ふむ、なるほど。
シオンの言うことも分からないではない。

確かにミルフィール様は魔王のことが大好きである。
見ているこっちが恥ずかしくなるほど魔王のことを溺愛している。
魔王も彼女といる時には、珍しく羽目を外したところを見せることもある。

……だが。






アンリ
「だからこそ、信頼されているからこそミルフィール様に代理を任されているのだろう? 

 それはなによりの信頼の証だ。
 ミルフィール様が不安に思うことや、不満に思うことなどなにもないじゃないか」




クロノス自治区の成り立ちは、魔王が「人以外の種族が安心して住める場所」を作ろうとしたことに始まる。
そこにミルフィール様が傾倒し、彼女の手腕で獣人を集めた。
……そうして成り立ったクロノス自治区。
この場所が今こうあるのは、彼女の功績が大きい。


そして、今もなおこうやってクロノス自治区の存続に力を尽くしてもらっている。




それは信頼がなければ魔王だって任せないだろう。
信用が出来なければ目を離すことなんてしないはずだ。


だが、今の魔王はいつどことも知れぬタイミングでもぱっと姿を消し、連絡も真っ当にしてこない。
それでも彼は何も心配していない。
それは、僕らが、そしてミルフィール様が政務に携わっているからだろう。



信頼ができる。
だから、放置できる。

それは何にも代えがたい信頼のカタチなのではないだろうか。











シオン
「……みんながみんな、アンリみたいな人じゃないのよ」


シオン
「でも、そうね……たぶん、アンリがアンリだから魔王もあなたに政治を任せているのだと思うわ」

くすくすと笑う妻の声を聴きながら、僕は再び資料作成へと戻る。
彼女へ「子連れで公園に行くなら何が欲しいか」ということをヒアリングしながら、
より一層資料の具体に磨きをかけていく。
きっとここまではやらなくてもいいんだろうけど、これが唯一僕に出来ることだから。

これが魔王が提唱する「人以外の種族が安心して住める場所」の実現に繋がると信じて、
僕は今日も働いている。










さて。
次から魔王様たちは決戦だな。。。
僕も頑張らないとな。。。


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comment











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おはようございます

あ~アンリ君どんまい><

今回は室内での会話劇ですね
やっぱりミルフィールさんがいるとほんわかしますね^^
いや~オンとオフできれいにわかれていてかわいらしいですね
でも、この笑顔で胸中穏やかじゃないのはアンリ君じゃなくても
そばにいたら怯んでしまいそうですね><

ほんとはもっとイチャイチャとかそばにいたいけど
それを表には決して出さないのは性格もあるけど正妻として
自分の役割を全うしているからなんでしょうね
今回の苦情の案件はミルフィールさんには適任でしょうね


2018/06/09 08:34 | 荒ぶるプリン [ 編集 ]


 

おはようございます。今回は久しぶりの魔王秘書・影武者な
アンリさん!相変わらず眼鏡が似合ってかっこいいです♪
淹れてくれる紅茶を飲みたくなります…!!そしてふんわり、
ちょっとドジっこ?ミルフィールさん☆ 様、はやめて下さい
…と気さくで可愛らしいです!奥様の様を取ると奥になって
しまう…なアンリさんの反応も面白かったです!
「はい、このミルフィールにおまかせあれ~」は可愛らしくも
ありますが、本当にミルフィールさんなら任せられる、
信じられると思いますね。

そして「ふふっ、本当になぁにやってるんでしょうね?」は
ほわほわ笑顔ながらも黒いオーラを感じました(笑)
電話の時のシオンさんの反応も楽しかったです!
シオンさんはあのクロンさんに足蹴り(笑)アグレッシブで
強い方なんですよね。アンリさんに馬鹿ってはっきり言っちゃう
所には笑っちゃいました~!失礼ながらも…アンリさんは
お馬鹿さん…というより、鈍感さんなのかな?…と感じちゃい
ましたね。愛人と一緒でジェラシーモードなミルフィールさんの
女心分かってよ!…とツッコミ入れたくなりました(笑)
個人的にタイトルの「血まみれ決着」が気になっています…。
きっとこれからそんな展開になるのですね。
…改めて覚悟して見届けます!


昨日は2記事にコメントありがとでした☆
もう少しお誕生日のお祝い絡みの記事が続きますが、
愛して頂けている…というか、優しく律儀な方が多いのです!
もちろん仲間入り果たしたいお気持ちも嬉しいですが、来年も
お忙しいだろうなぁと思いますので、ご無理なさらずです!
そして私も向上心を持って色々な活動頑張りたいなぁと思います♪

銀魂はもうすぐ連載が終わってしまうのかな~と
いう感じで…私もジャンプは立ち読みですよ!
資料色々集めないとですが…時間やお金、そして
スペースもなかなかだと思います。(私はジャンプ買うと
なかなか捨てられずに部屋が本だらけです(苦笑))
長々と失礼しました。読んでくださり、ありがとでした☆

2018/06/09 09:22 | 風月時雨 [ 編集 ]


こんにちは^^ 

何と!
ミルフィールは『獣人』だったんですねぇ・・・
言われてみると、耳の形が『エルフ』の物とは違ってますね^^
他種族国家は、一見平和そうでも、内心では差別したりされたりなので、大変ですね^^;
今はまだ、体裁を繕って皆、口には出しませんが、それだけに鬱憤が溜まってるんでしょうねぇ・・・
『グッゲンハイム』の世界でも、インターネット社会になったら、匿名で結構酷くなりそうだwww

2018/06/09 12:54 | ロベルタ中尉@ジオン公国 [ 編集 ]


荒ぶるプリン 様へ 

まあ。
この辺はアンリの仕事であって。
ミルフィールの仕事です。

ミルフィールはデフォルトでほんわかしてますよ。
・・・まあ、いつでもどこでもほんわかしているのが問題なんですけど。
( 一一)

ミルフィールはミルフィールの役目があるので。
その辺の軸を曲げていません。
まあ、曲げる理由もないですからね。
陳情処理はミルフィールの仕事ですね。

毎度マッハなコメントありがとうございます!!!!!!!!!!!!!
(*‘ω‘ *)

2018/06/09 18:55 | LandM [ 編集 ]


風月時雨 様へ 

タイトルは総合的に見て決めているので。
今回の話でタイトルを決めているわけではありません(笑)。
タイトルには無頓着なのは私の特徴です。
結構、タイトルで苦情がでるのがスタンダード(笑)。
( 一一)

たまにはこの二人を出さないと。
結構干される・・・というか。
この二人の役割は役割で重要なので。
魔王の大切な要素の一つですからね。
アンリもミルフィールも魔王を構成する大事な要素ですからね。
その辺も取り上げるのが、魔王の聖戦です。
魔王を深めるのが今回の話のテーマですからね。

毎度、丁寧なコメント返しありがとうございます。
(*‘ω‘ *)


2018/06/09 19:00 | LandM [ 編集 ]


ロベルタ中尉@ジオン公国 様へ 

あとで話されることなんですが。
ここはエルフや獣人、人間の中でもはみ出し者・・・
あるいは、追い出された者が設立ところなので。
あんまり種族間差別はないです。
もともと差別されたところなので。
共存共栄がモットーなのがクロノス自治区です。

ネットになると・・・。
まあ、匿名の問題があるでしょうね。
これが実名とかになると別問題になるのでしょうけど。

的確なコメントありがとうございます。
(*‘ω‘ *)

2018/06/09 19:06 | LandM [ 編集 ]


 

この二人が出て来てくれて嬉しい(*^^*)
裏で非常事態が進行中でも、日常業務も止めてはならない。それが行政というものですねー。

アンリさん天然すぎ……(笑)
そして苦笑しながら解説してくれるシオンさんが、しっかり奥様してるなと思いました。アンリのこと大好きなのが伝わって来てニヤニヤしてしまう。

ミルフィールさんの微笑みがコワイ(^-^;
あ、でもルネさんもですが怖いはほめ言葉でもあります。怖さを隠し持つ女性キャラって好きなので!

2018/06/09 21:00 | 椿 [ 編集 ]


椿 様へ 

まあ、この二人も出番を用意しておかないと。。。
・・・という話なので。
また合流する予定ではあるのですが、ほっとくのもアレなので。

基本的に以前も話した通り、誰でも善悪あり、怖さもあり優しさもある。
そういうキャラクターを目指しております。
(*'▽')

2018/06/10 17:15 | LandM [ 編集 ]


 

アンリもアンリで気苦労が絶えないですが、
逆に魔王を始めとしてアンリの支えがあるからこそ、
全力を出せるというものですし、
やっぱり縁の下の力持ちは大事ですね(´∀`)
戦闘も大事ですが、
ミルフィーユの件も含めて裏方で調整してくれるのは助かりますね~。

2018/06/10 20:52 | ツバサ [ 編集 ]


ツバサ 様へ 

ま。気苦労が絶えないのはアンリの普段なので。
仕方ない。
そういうのがあるから、魔王が気楽に動けるっていうのがあるので。
戦闘も大事ですが。
政治も大事。
毎度安定感あるコメントありがとうございます。
(-ω-)/

2018/06/12 20:52 | LandM [ 編集 ]


ぞくぞくー 

こ、こわ~い。
アンリさ~んも少し女心を…
ミルフィーユ様いつもは
ドジっこでもさすがは
魔王様の正妻っ。有能ですねー。
けど怒らせたら部屋の
温度が下がるくらい?
こわ~い。
血まみれの決着で
想像してたのとはまた
違う恐怖を味わいました。

2018/06/14 14:56 | TYPE MM04 [ 編集 ]


TYPE MM04 様へ 

まあ、この作品全般に言えることですが。
誰でも光があれば、闇もあります。
恐ろしいところはあるので。
誰が正しくて、誰が間違っているか。
・・・というのを論ずるわけではないです。
ただ有能は有能ですね。
ミセス・ミルフィールは。
・・・ちょっと方向性が間違っているところもあるのですが。
ミルフィールはもっともっと闇が深いのでその辺も必見ですかね。

毎度コメントありがとうございます。
('◇')ゞ

2018/06/15 16:46 | LandM [ 編集 ]


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