FC2ブログ
2020・09
<< 1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12/13/14/15/16/17/18/19/20/21/22/23/24/25/26/27/28/29/30/ >>
2019/06/01 (Sat) 33話(~回想~ クリスティ)

04(2).jpg


33話(~回想~ クリスティ)






欲しい。
どうしようもなく欲しい。


この人が。あの人が。
今。目の前にいる人が。


どうだどうしようもなく欲しい。



それが同義的に間違っているとか。
倫理的に間違っているとか。


家族として間違っているとか。


そんなことはどうでもよかった。




限りなく。
単純に・・・・あの人。


アレクサンドラが欲しい。





アレクサンドラが私の頬に触れた。


頬から耳、耳から髪、
髪から顎に触れて、彼は穏やかに微笑んだ。



アレクサンドラ
「似すぎていて、死んだのが嘘みたいだ。」





その切ない微笑みに、
どくん、と心臓が高鳴る。



そんな顔をしないでほしい、と純粋に願った。


この人のこんな顔を見たくない。

傷ついた顔をしてほしくないから、
私は彼のそばにいたいと願ったのに。


顎に添えられた彼の手に自分の手を重ねる。


その手は冷たかった。
その冷たさに涙が出る。




この冷えきった手を、体を、温めてあげたいと思う。
そう願うことは間違いなのだろうか?


この人の冷たい手を。
そして、心を温めたいと思うのは間違いだろうか?





アレクサンドラ
「……クリスティ?」

クリスティ
「その名前で呼ばないで。私は……」


唖然とした彼に顔を近づける。
そして、そのまま強引に唇を重ねた。



瞳を閉じる。
もうなんでも構わなかった。



今この人にこんな顔をしていてほしくなかった。
ただそれだけなのだ。


母の存在が彼を苦しめ、それでも彼を救うのであれば、
私は母の代わりで構わない。



いくらでも身代わりにされたっていい。



だって、そうでもしなければ私はアレクサンドラの心に触れられないのだから。




どうせ報われぬ想いだ。
これでアレクサンドラに嫌われようと、ラリサに見捨てられようと知ったことか。



今、私がしたいことをする。
……だって、もうこんな機会ないはずだもの。




こうやって母の代わりであっても、
それを口実にしてアレクサンドラに近づけるのならそれで構わない。





スポンサーサイト



未分類 | trackback(0) | comment(0) |


<<34話(~回想~ クリスティ) | TOP | 32話(~回想~ クリスティ)>>

comment











管理人のみ閲覧OK


trackback

trackback_url
http://landmart.blog104.fc2.com/tb.php/3540-579c32a2

| TOP |

プロフィール

LandM

Author:LandM
この小説を書いている人たちを指します。
作品によっては一人で書いていたり、複数で書いていたりします。
LandMとはその総称です。
よろしくお願いします。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

カテゴリー

月別アーカイブ

FC2カウンター

FC2カウンター

現在の閲覧者数:

FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード