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2000/12/23 (Sat) 2話『超越した状況』

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クロン「アイアトーネ市の魔術師でクロノス自治区の結界を破るのにどれくらいかかる?」

オウファン「……破れないでしょう。最低でもシュライン国家直属の魔術師を派遣しない限りは。」

クロン「そうか。」

オウファンはパフォーマンスをするようにオーバーリアクションをした。
まるで降参だと言わないばかりであった。








オウファン自身も面白半分で結界を解呪することを考えなかったわけではない。
その結果は散々なもので、オウファンの手に余るような結界ではなかった。あれを解く魔術師はかなりの高ランクでないと無理だということだった。それこそ最強帝国と言われているデュミナス帝国の魔術師を呼んで来なければ……と思った。それぐらいクロンたちの結界はかなり悪質で侵入をたやすくできるものではなかった。









オウファン「あれは悪質ですからね……。」

クロン「そう言ってくれると魔王冥利に尽きる。」

二人は冗談のように笑い、見つめあった。
なかなか意地悪な結界だというのが結論であった。








オウファン「なるほど。ならば……まあ、しばらくは大丈夫でしょう。」


ならば、なおさら動くべきではない。
ここで迂闊に動けば余計に混乱を生じさせる。
最悪の状況が整うまでは静観し続けることが大切である。
クロンの判断は間違ってはいない。

問題はそれでもアイアトーネ市が動いてくる時は……ないか。
そこまでアイアトーネ市も馬鹿ではない。
この状態で突っ込んでも無駄な死が多いだけであり、それは市民にとっても悪影響である。

アイアトーネ市も迂闊に兵を動かして、シュラインの中央政府に目をつけられたくもない……という打算があるはずである。
中央政府の援助なしで動くことはシュライン国家としても越権行為であり、なるべくしたくないことである。
小心者が多い……とオウファンは思っているアイアトーネ市の議会。

そう簡単に軍事行動に出ることは考えにくい……。











オウファン「聞きたいことが。」

クロン「なんだ?」

オウファンは今までの清々しく笑っていた表情を改めて、真剣な表情でクロンを見つめた。
その表情は真摯であり、真剣そのものであった。









オウファン「竜はどこから?」

クロン「ふっ。」

誰もが疑問に思うことだ。
竜自体はもはや絶滅種族である。
その竜がこの大陸にいることはありえないことである。
もっとも、そのあり得ないことが発生したのだが。

オウファン自身も謎であった。
いたところで問題ではない。
問題なのは今まで気づかなかったことであった。
オウファンも気づいていれば、それなりのごまかし方もあった。
しかし、それができないぐらいの巧妙な隠し方をしてあったのかと思ったのである。










クロン「オウファンは3000年前から竜がつい昨日タイムスリップしてきた……と言ったら信じるか?」

オウファン「魔王閣下は真剣な表情で嘘を突きますね……と返します。」

クロン「そうだろうな。」

クロンは笑った。
妻にも同じようなコメントが帰って来た。
純粋無垢なミルフィールが信じられないほどの物語である……とクロンは感じた。

オウファンも初めは冗談だと思った。
しかし、魔王は笑って話すときは大体真実である……ということに気づいていた。
そのため、笑っている表情は後に硬化した。

そして、オウファンはクロンに聞いた。







オウファン「本気ですか?」

クロン「ああ。」

オウファン「確かにそれならば辻褄が合いますがね。」

オウファンは正直に所を言えば、話半分でしか聞けなかった。
そのような自分の理解を超えた話をされても理解しきれない。もっとも、理解するだけの器でもなかった。
それぐらいの器量しかないという自覚はオウファンにはあった。

それならば、自分の領域をはるかに超えた出来事である。
無力さを実感したオウファンは竜のことについて考えるのをやめた。








オウファン「それはそうと……。」

クロン「ん?」

オウファン「いつまでここにいらっしゃるおつもりで。」

クロン「さあな。」


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タイムマシンなんてあるわけもないし
誰かが送ったとしか言いようがない
魔術師強そう

2011/03/07 08:18 | ★ハリネズミ★ [ 編集 ]


★ハリネズミ★ 様へ 

とりあえずタイムマシンはないですね。
・・・とりあえずですが。
その辺はほかのキャラクターの仕事になりそうな感じなので。
誰かというか、トールフーラという当時の竜王が送ったという設定ですね。

2011/03/07 08:54 | LandM(才条 蓮) [ 編集 ]


 

挿絵を懐かしく拝見しました。
牢屋の中にいるのに泰然自若としている若者。
以前はとても幼く見えたのに改めて見るととても老獪な顔をしている。
クロンが訪ねるのも頷けます。
敵にしたら怖そうな人物。

脆い平和だったのかな。
それでも必死に守ってきたクロン。
いい魔王様だと褒めたい。

調子はどうですか?
じっくり治して下さいね。

2012/02/03 15:46 | ぴゆう [ 編集 ]


ぴゆう 様へ 

まあ、体調は・・・ぼつぼつですよ。
なんとかやっております。
ブログができるぐらいは。

今見ると若さがにじみ出ますね。
高瀬にも。私にも。
それでも私が、高瀬が一生懸命書いた奴を褒めて頂きありがとうございます。

2012/02/03 19:44 | LandM [ 編集 ]


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