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2000/12/29 (Fri) 8話『立案』

オウファン「まずは最悪のことを考えていきましょう。その方が対処がしやすい。」

クロン「そうだな。」

オウファン「楽しそうですね。」

クロン「いや、心強い味方ができたと思っているんだ。」






ワインで興じていた時が嘘のようにオウファンは真剣な表情をしていた。
牢屋に入っているときもこのような真剣な表情をしていなかったことを考えると、クロンはそれだけ真剣にクロノス自治区のことを考えてくれているのだと思った。
それはそれで頼もしい。
クロンの懐刀として政務を引き受けてくれたら、それだけクロンの負担も少なくなる。
クロノス自治区の人間はある意味クロンに頼りきりな部分があったので、オウファンの存在は安堵する。







オウファン「ありがとうございます。……そこで、最悪の状況としては……。」

クロン「やはりシュライン国家との全面戦争だろう。」


クロンは即答した。
クロンは今の今まで拒絶して、避け続けたことをまさにそれであった。
隣国であるシュライン国家との戦争を避けること。
その一点に絞って外交と内政をやってきたといっても良かった。
そのため、シュラインに多額の税を払い、媚びへつらうような外交を続けてきたのだ。







オウファン「当面はそれになるでしょう。現時点で国力が違いすぎますから、対応しても我々が負けるでしょう。……しかし万が一、そうなった場合の対処も考えておかないと、我々は絶滅してしまい、この世界は人間だけの種族が栄華を誇ることとなるでしょう。」


悲しいことですが……。
オウファンはクロンに聞こえないように言った。
このような状況になったのは、過去の歴史のせいである。
そう言っても仕方がない。
過去は変えられない。
変えられるのは現在だけである。









クロン「かといって、他国の援助は期待できない。我々の自治区以外は人間の種族が支配している。」

実質、人間以外の種族が国家や自治区を形成している団体はない。
散発して様々な国でいろいろな種族を形成しているが、現在のグッゲンハイム大陸で国家や自治区に口出しできる権限は異種族の団体にはなかった。







オウファン「われわれの自治区以外の別の場所に住んでいる種族に助けを求めるのは?」

クロン「無理だ。それぞれがばらばらになっている。すべてに協力要請するのは不可能だし、一つ二つでは大した効果も見込まない。」

このクロノス自治区以外にも異種の民族は多く存在する。
しかし、それは全ては散発的に存在しており、協力体制にはない。
一つ二つ外交を進めて協力を得られることができても、それは大した力にはならない。
ちりも積もれば山になる……というが、チリを集めるだけの時間がないのも実情であった。




オウファン「他の助けが求められないのであれば、自国をどうにかするしかありませんね。……クロノス自治区内の軍事力の欠点をあげてみましょう。」

クロン「数は少ない。……といっても、こればっかりはどうにもならない。」

オウファン「そうですね。」


現実問題、クロノス自治区は人間以外のほぼすべての種族の知的生命体を集めているが……それでも人口は1000万程度である。
シュライン国家が6000万だということを考えれば歴然の差がある。
それを今からどうこうしようとしても無駄である。
無駄ではないが、それは10年20年のスパンで考えなければならないことである。
そのため、今すぐ人口を増やして軍事力を上げるというのは無理がある。







クロン「それ以外では兵の質の問題だ。」

オウファン「というと?」

クロン「戦い慣れしていない。平たく言うと、軍隊ではないということだ。」

オウファン「ああ、なるほど。平民がそのまま兵士になっているような感じですね。」

クロン「そうだ。正式な訓練はさせていない。」

クロンはクロノス自治区内で正式な軍事訓練をさせていなかった。
戦いを毛嫌いする人種もいたことも関係あるし、迫害されていた者は戦うこと自体を忌避している。
そういった者たちに戦いの強要する訓練を強いるのは酷であった。
志願者のみで訓練をしていたのが実情だ。
もっとも、他国ではそれを訓練とは呼ばないレベルの訓練だ。



オウファン「ならば、そこの部分は改善できます。すぐにでも部隊編制を組み訓練をする必要があります。今の情勢を説明すれば志願するものはそれなりに多いはずです。」

クロン「わかった。それは手を打とう。」

まず、志願者内の訓練をからしていけばいい。
今の状況……シュラインが本格的に攻め込むかもしれないという状況を説明すれば、嫌でも訓練は本格化するとクロンは見ていた。




オウファン「他に手を打てること……を考える前に、兵の訓練が最優先事項になりそうですね。」

クロン「そうだな。色々手を打って、すべてが中途半端になっても仕方ない。まずは兵士の訓練を最優先に進めよう。」

オウファン「了解です。それでは、現時点で最悪の状況を防ぐ方法を考えましょう。」

クロン「そうだな。」

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兵力差ってのは大きいね
でも、案外いけるんじゃないかと思ってる
竜が殲滅してくれそう
まぁ相当な腕の者がいない限り大丈夫っぽい

素人とプロの差って大きいよね
技術を才能でカバーできればいいがそうもいかん
シュミレーションと実戦が違う様に
所詮シュミレーションは予想が出来るが実戦は違うしね
予期せぬことが起きる

2011/04/11 07:55 | ★ハリネズミ★ [ 編集 ]


★ハリネズミ★ 様へ 

確かに。あまり数は問題じゃないのかもしれないですね。
問題は一人ひとりの兵の質の問題がありますからね。
プロと素人の違いがありますからね。

最近では徴兵制も合理性がないので中止にしている国もありますからね。
ドイツは徴兵制を辞めていますね。
今のご時世素人の兵士を集めてもあまり意味がないですからね。

2011/04/11 10:42 | LandM(才条 蓮) [ 編集 ]


 

戦は戦う前から始まっているのよね。
だけどなぁ、クロンはこれだけ状況を把握できている。
以前からわかっていたことばかり。
これって一番の平和ボケはクロンじゃないかと思ったりする。
もっと他国にスパイなりの諜報活動や親クロノス家みたいな人達を作っておくべきだった。
過去があったとしてもね。
今更だけどね。

体調はどうですか。
無理しないで下さいね。

2012/02/19 20:22 | ぴゆう [ 編集 ]


ぴゆう 様へ 

確かにクロンは事なかれ主義というか。
そこまでやる気がないというのが正しいですかね。
もとより、性格的な問題の方が強いような気がしますが。

体調のほうは順調で推移しております。
お気遣いありがとうございます。

2012/02/20 16:47 | LandM [ 編集 ]


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