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2001/01/22 (Mon) 2話『偵察』

シェクスピア「ん…………。」

不意にシェクスピアは明後日の方向へ向いた。
明後日というよりかは、正確には結界の方向でありシュライン国家との国境付近へと目をやった。
その表情は先ほどの会話と違い、真剣味があった。








クロン「どうした。」

シェクスピア「結界付近に偵察がいるみたい。」

クロン「………そうか。」

ついに来たか。
クロンはそう思った。
ここまで対策してきたが、それでも直面すると精神的にもダメージがある。
これから本格的に戦いが始まるかと思うと。

その前哨戦が偵察である。


クロノス自治区の結界はかなり悪辣で侵入がかなり困難なものとなっている。
場合によっては命の危険性がはらんでいる結界であり、その上破るのも困難である。
延べ10重に重ねられた結界は何人の侵入も許可しない。
クロノス自治区が許可をしない限りは。
今まで、クロノス自治区に侵入できたのは抜け道を作っていたからであってそれがなくなれば侵入困難な自治区へと早変わりする。

偵察するのは、どうすればこの結界が破られるかの調査である。
この行為をすること自体、クロノス自治区への戦闘行為と同義になる。


だとすれば、クロンたちも対策を練る必要がある。
偵察部隊を蹴散らす必要がある。
偵察の邪魔をして少しでも、結界の解呪方法発見の時間を遅らせることである。

その間に、結界の書き換えをすれば侵入はより難しくなる。
まずはそうやって、時間稼ぎをする。
それがクロンとオウファンとで考えた策である。









クロン「なら追い出す必要がある。」

シェクスピア「私がやろうか?」

シェクスピアは無表情で言った。
彼女は人間を躊躇うことなく殺すことができるところがある。
彼女は非常に繊細な人物ではあるが、同時に人でなしでもあった。
同族の人間であろうとも遠慮なく殺す……そんな冷静……いや冷酷な面があった。

あまり、彼女を動かすのは得策ではない。
それはクロン自身が思ったことである。









クロン「いや、シェクスピアはいた方がいい。結界を張ったのはシェクスピアだ。その管理は常にやってほしい。」

それに加えて、迂闊にシェクスピアを前に出すのは危険である。
他の方面からの偵察や強襲部隊がいれば、結界管理者がいないと連携が取れなくなりバラバラになる。
よほどのことがない限り、安全地帯から動かないのが鉄則である。

だからといって、マユルたち竜を出すわけにはいかない。
そんなことをすれば余計に敵を過敏にしてしまい、すぐに戦争行為になってしまう。
時間稼ぎをしたいクロンたちには不利に働くことになる。

オウファンたちの歩兵はどうか。
……無理がある。
オウファン自身も言っていたことだが、まだ歩兵を出すには不安要素が多すぎた。
訓練不足もあり、損害を出したくないのが本音であった。


適任者がいない。
そして、人材もまだまだ不足しているのがクロノス自治区の実情であった。
結局、至った答え。

―――――――――それは。








クロン「私が行こう。」

シェクスピア「クロンが?」

シェクスピアはあからさまに可笑しな表情をした。
歳を考えなさい、歳を……ということを表情でシェクスピアは語っていた。

クロンは30歳である。
歳を引き合いにされるほど年寄りではないが、苦労症の性格もあってかクロンは年齢よりも老けて見える。
加えて、クロンは戦闘タイプではない。
どちらかというと、指揮官タイプである。

そんな30歳の男性が前線に立つ……。
あまりシェクスピアは想像ができなかった。
……といよりか、クロンが前線に立つことは珍しいことではある。






クロン「若いものには負けんよ。追い出すだけなら、オウファンやマユルよりも上手にやってみせる。」

シェクスピア「またまた。無理はしなでよ。」

クロン「当たり前だ。」

経験値ということに関して言えば、誰よりもクロンが一日の長がある。
敵を撤退させる技術ということで言えば、かなりのバリエーションがある。
これはクロンが今まで積み重ねてきた経験がものをいう。

敵を撤退させるのは技術である。
敵を殺すのは―――――力である。

技術はクロンの専売特許のようなものであった。
そのため、シェクスピアはしばらく見つめた後……少し笑った。






シェクスピア「ま、そうね。若い奴らにいいところを見せないとね。」

クロン「ああ。」

クロンは30歳。
シェクスピアは29歳。

マユルは7歳、オウファンは18歳。

なんだかんだで、この二人とは10歳以上の開きがあった。
そのため、嫌でもクロンやシェクスピアは歳を感じるときがおおくなった。
それはいいことであり、悪いことでもあるのだが……。

クロンも若い者に触発されたのは否めない。






クロン「まあ、なんとかなるさ。」

クロンは笑顔を見せて、空間転位も魔法を唱えた。
シェクスピアはただ髪をなでながら穏やかに笑っているだけだった。

そして――――――

シェクスピア「いってらっしゃい。」

そんなのんびりしたことを言っていた。

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管理人のみ閲覧OK


 

リンクですか!?マジですか!?
是非!!やります!!やらせてください!!
お願いします!!
………………あれ?
リンクしますね(笑)

2011/05/18 07:10 | 彩舞 夜千 [ 編集 ]


彩舞 夜千様へ 

ああ、それではよろしくお願いします。
またこれからもお願いしますです。
リンクはつなげておきますね。

2011/05/18 22:07 | 才条 蓮 [ 編集 ]


 

マユルって未成年の7歳って驚き
もっと15歳前後かと
オウファンももっと20~30代って思っていた

2011/06/03 12:26 | ★ハリネズミ★ [ 編集 ]


★ハリネズミ★ 様へ 

さすがに若すぎたかなあ・・・と今頃のように後悔。
と思いつつも、まあ当時はそれぐらいでいいか思いこういう設定に。

達観しているように見えるのは竜の血を引いた影響です。
オウファンは・・・ふけて見えますね。
作り変えるときはもっと若く設定しましょう。

2011/06/03 18:52 | LandM(才条 蓮) [ 編集 ]


 


 密かに読ませていただいております~
 
 皆、若いのにしっかりしてますね!
 「戦い」が側にあるからでしょうか?

 見習いたいところです、私のブログの某キャラクターなどは、彼らの何倍も生きてる割に精神年齢が彼らよりも低い気が……トホホ……




 

2011/12/21 17:44 | ゆういち [ 編集 ]


ゆういち 様へ 

確かに・・・というかまあ、確かにそうですね。
それぞれが一生懸命考えた末に行動している。
・・・ということをコンセプトにキャラクター設計をしています。
その辺が詳しく描かれているだけです。

2011/12/22 07:22 | LandM [ 編集 ]


 

クロンは三十歳と言っても本当は三千歳くらいなんだろうな。
そんな気がする。
さばよんでいるに決まっている。
ぷぷ

2012/04/05 16:30 | ぴゆう [ 編集 ]


ぴゆう 様へ 

本音から言えば、子どもっぽいですよ。
このときのクロンは。
まあ、年寄りぶっているだけです。
えらそうにしたいだけの男ですよ。
このときは。

2012/04/06 17:45 | LandM [ 編集 ]


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