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2001/02/03 (Sat) 3話『勇者と竜王』

二人の緊迫した空気が漂う。
マユル自身は迷っていた。
ここで戦っていいものか?
以前の例もある……仕掛けてくるのであれば応戦はするが、それ以上は控えるべきでないだろうか……。


その静寂を破るものが他にも来ていた。







カレン「……なんだあ?」

マユル「――――シュラインか。」

結界の反応が悪くなってきている。
これは……どうやらシュラインがクロノス自治区に攻め込んできている。
結界の反応が悪くなるほど――――つまり、シュライン国家アイアトーネ市の正規軍が攻め込んできている。

それならば、こちらも竜部隊で応戦する必要がある。
この女と相手が長引くだけ、こちらの状況にも影響が出る。










―――――すぐに決着をつける必要がある。



ザシュウウウウウウウウウウ。

マユルは持っている不釣り合いの巨大な槍をカレンに突き出した。
通常の鎧であれば、貫くことも可能な槍。
光の閃光のような速さでカレンのもとへと抉る。








ガギィイイイイイイイイイイイイイイ。

それをカレンはいとも簡単に受け止める。
聖剣グラストの強度は見方によっては世界一の強度とも言える。
それを折るのは並大抵のことではない。
それに加えて、カレンの技量の並々ならぬ練達したものがあった。






逆に、カレン・エスタークは全く状況が把握できていなかった。
現在、クロノス自治区とシュライン国家が緊張状態にあったことすら知らずにやってきた。
それぐらいに情報収集をせずに衝動的に彼女はやってきたのである。

それで戦闘能力が下がることはないが――――――しかし、最善の行動が出来かどうかは別次元だ。
ここは慎重に相手の出方を見る必要がある。

カレン・エスタークはこの目の前にいる少年との戦いを楽しみつつ……状況把握に努める必要があった。
そう言った面では、状況を把握しているマユルが有利であった。






それにしても。





マユル「強い。」

カレン「てめえも十分強い。その歳で竜を従えるんだ。ゆくゆくは竜王だな。」

彼女は強い。
勇者と周りから称されるだけはある。
それぐらいに能力値があまりに高い。
能力制御をしているようだが、それを加味しても竜を従えるマユルを大きく凌駕する力を持っている。

勝率は限りなく低い。
もとより、この少年の素体では勝てない。
彼女と本格的に戦うのはもっと先でなければならない。


そのこと自体、マユルは察知していた。
彼女には通常攻撃で足をつかせるには無理がある。
初手から思い切った攻撃が必要である。











マユル「ָעٗٮΑϣЊϳЍЏѲҮӕҬѬѩһҷҴ(我、マユル・パーチェノークがグッゲンハイムの大陸に君臨する)
    AąŃƸɄɭɪʏʖʫϓЌжгЊЫ(竜王の真なる武装を顕在させる)。」


マユルはおおよそ人が理解し得ない言語を発したかと思うと、マユルの持っている槍が白く光り始めた。
その光は誰もが正視できないほどのまばゆい光であり、聖剣の光と間違えるほどの光の粒子を発した。







カレン「ちっ……聞いたことがない詠唱だな。」

マユルが発したのは竜言語。
竜族のみが話すことができる特殊な文字による詠唱であった。
人間には使用ができない特殊魔法を唱えているのである。








マユル「ãŒijŷΌ(壱式 流星)」

マユルの前面に無秩序に収束し、いくつもの光球を生み出す。
その光球は非常に灼熱であり、人の身であればすぐに溶けるほどのものであった。
通常であれば、間違いなくこれを食らえば跡形も残らない。
骨すらも残らない無常の光の球がそこにあった。



カレン「わ~~お~~~。」

カレンはただただ唖然としていた。
聞いたことがない詠唱に見たことがない魔法。
呆れるような状況に驚きは隠せないが、それで怯むような人物でもなかった。



マユル「ŲΏŃėђ(弐式 放出)」

バシュウウウウウ、バシュウウウウウウ。

降ってくる無数の光の球を上手にカレンはよけた。
確かに威力は高いが当たらなければ意味がない。
それに威力もカレン程の魔力防壁であれば、ダメージはないに等しいものであった。

見かけ倒しの魔法か――――。
そう断じたカレンは後で後悔する。


マユル「ŔΔΦνπ₣(参式 収縮)」

光の球が全てマユルのもとへ――――正確にはマユルの持っている槍へと収縮する。
人を跡形も溶かすほどの熱量を持つ光の球全てがマユルの2つの槍へと集まった。

マユル「⅜╒ŘĦΔŵΎΨξ(肆式 トールフーラ起動)」

――――――――その瞬間、常識を揺るがす光景がカレンの目の前に生み出される。

槍が巨大化した。
その巨大化は常軌を逸している。
10メートルあろうと思われる巨大な光の槍と化したのである。

森の頂上を超えて、月を突き刺す勢いの大きさの槍へと変貌を遂げた。
それは見る者を圧倒して、震えさせるほどのものであった。
通常のものであれば、これを見るだけ竦み上がる。








カレン「おっきいなあ~~~。」

……と、カレンは一人間抜けなコメントをしていた。

上等である。
この槍を聖剣グラストで抑えられるか。
それぐらいはできなければ聖剣グラストの名前を返上しなければいけない。
そんなゆとりすらあった。







マユル「θξσ(伍式 抉る)
    κξ  ⅜╒ŘĦΔŵ₤ћ≈╓√ЏЖосϊ(さあ、トールフーラの恐ろしさを垣間見よ)」


10メートルの光の槍がカレンへと抉りこむ。
カレンはすかさず反応して、真っ直ぐに光の槍を聖剣グラストで受け止める。







ガギイイイイイイイイイイイイイイイイイイ。

金属の擦れ合う音。
――――――――――そして。




ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン。



世界が崩壊する予感がする音と爆発が起こった。

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