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2001/02/03 (Sat) 4話『星落とし』

シェクスピア「―――――強い。」

シェクスピアは遥か彼方遠くの魔方陣結界からマユルとカレンの戦いを見ていた。

マユルは確かに強い。
それは知っていたが、ここまで強いとは思ってもみなかった。
どこをどう考えても、シェクスピアとマユルが戦ったら言うまでもなくマユルが勝つ。
自分の子ども―――――のように見ていてたマユルがここまで強いのは安心するとともに不安もある。
このまま力に溺れないでほしいという思いと生きてほしいという願いがシェクスピアの心を支配する。

……結局、生きてほしいという願いが勝つ。








その最大の原因は何といても来訪者だ。
シェクスピア何度も王族時代に聞かされた人物―――――。
デュミナス帝国で「勇者」と語り継がれている人物がいる―――――その名もカレン・エスターク。
300年ぶりに聖剣を持つことが許された稀代の英雄にして虐殺者。
強さは筋金入り、そして性格は正に殺人快楽主義者。
その矛盾を孕んだ人物こそがカレン・エスタークである……そうシェクスピアは聞かされた。







シェクスピア「あのカレン・エスタークがこんな辺境の土地に来るのか……。」


どういう意図かか推し量ることができない。
それを考えるのはシェクスピアの仕事ではなく、クロンの仕事である。
今は理由の推察をする時間がはない。
なぜならば、カレンがここにやってきて、それに乗じてシュラインもここを攻め込んできている。


不運か。
それとも、そういう計略か。
どちらにしても、かなりクロノス自治区にとっては不利な状況には変わりない。

戦力の要であるマユルがカレン・エスタークにかかりきりである。
かといって、カレンを無視すればクロノス自治区の損害は甚大なものになる。
正直な話、カレンに立ち向かえるのはマユルしかいない。
かといって、マユルが前線に立てないのはつらい。


人材が欠如している。
それは分かりきっていることではなるが、それが露呈するには少し早すぎる。


結界の方を取るか――――マユルを取るか―――――迷った。
結界が破かれれば、町に甚大な被害が出る。
マユルは大切な―――――子どもであり、戦力の要だ。

結局、マユルを取った。
戦略的にも愛情的にも間違っていない判断だと感じた。


カレン・エスタークを殺す――――のは明らかに無理な話である。
曲がりなりにも勇者と呼ばれている存在を倒すのは尋常な苦労ではない。
ならば、撤退させるように後方支援をするしかない。

幸いにも、マユルの戦い方は特殊である。
それに慣れていないうちはマユルが後れを取ることはない。
それに乗じて、こちらは禁呪の波状攻撃。
たまらずに撤退してくれるのがセオリーだ。










ならば―――――特大の禁呪をぶつけるしかない。





シェクスピア「我――――――力の一端を解放せん。」

その入りと共にシェクスピアの立っている地面にある魔方陣が光り出す。
半径3キロメートルの5芳星が強く光り輝いている。

月の光以外にも強く光るものがシェクスピアの下にある。
この魔方陣を使用するときは禁呪中の禁呪を使用するだけである。







シェクスピア「我は禁忌に堕ちた者。
       禁忌を愛す者。
       穢れを持つ者であり、穢れを否と思わぬもの。
       栄光ある誉からずり落ちた者。
       我の生は栄誉とは無縁のもの。
       我の生は永久に誉られることはないだろう。
       我は愚者。
       混沌ともにあらわれ、混沌ともに消えさる命運にある。
       我の名前はシェクスピア・ノアール。
       それは愚者の名前である。
       この我が真名を明かそう。
       愚者の真名はアルファンガード・フェルト。
       フェルト国家の皇位継承権を持つ王族なり。
       煌びやかな身分を捨て、禁忌に堕ちた者。   
       我――――――――星と共に生きる者。」



今、シェクスピアが唱えているものはクロンが口を酸っぱくなるほどに注意をして教えた魔法である。
いわゆる禁呪中の禁呪。
禁呪の王様と言われる魔法がある。
その代表――――――星を操る魔法である。
天気や隕石……星の生命すらも動かすことができる宇宙規模の魔法である。
現在使用されている12属性魔法から外れた禁呪属性魔法即ち[星]属性の魔法であった。

天体そのものを操れれる魔法であること――――そして、使用者の命数をも左右する。
この二つの理由から精霊を冒涜するという理由から排除された禁呪。
この魔法こそが禁呪も発祥とも言える星の魔法であった。



先ほどの詠唱は星の魔法と唱える上での前段階。
次からの詠唱が本格的に星を操る魔法の詠唱となる――――――。












シェクスピア「星は煌びやかにして聡明。
       命の源であり、元素である。
       全ては神の戯れから始まる。
       全ての元素は無より生じる神の戯れ。
       そこから全てが生まれる。
       宇宙が生まれる。
       恒星が生まれる。
       惑星が生まれる。
       マグマが生まれ、海が生まれる
       ――――そして、星が生まれる。
       全ては一つの戯れ。 
       それが貴方様でございます。
       精霊ファルガット様の御心のままに――――。
       星を生みし、貴方様はまさに叡智。
       愚者である私のもとへと降臨という愚挙をお許しください。
       我が求めるは混沌。
       我が求めるは破壊。      
       我が求めるは創造。
       御心のままに愚者に舞い降りてください。」


シェクスピアを囲む魔方陣が光り始める。
紫色に光っている輝きは全てがシェクスピアと共にある。
その紫色に包まれたシェクスピアは紛れもなく―――――妖艶であった。
その艶やかな光に包まれる姿は魔女。
魔女が勇者に挑むとき。

滅ぶのは魔女か、勇者か。
どちらでもいい。大切な子が守れるのであれば。
シェクスピアは決意をした。









シェクスピア「今、精霊ファルガット様が舞い降りる。
       我の心はここにあらず。
       我はファルガットに代弁者。
       今、ひとつの契約を交わす。
       数多に飛来しする流星群。
       その一つを我の戯れの道具としよう。
       星は我の気まぐれを良しとする。
       我の心のままに。
       グッゲンハイムの大陸に我の気まぐれが降臨する。
       我の右手は創造。
       左手は破壊。
       全ては創造と破壊によってなされる宇宙の劇場。
       その一端をこの世界にも見せよう。
       ―――――星落としという劇場を。
       これは星の行く末を決める審判である。
       生を求めるか。
       死を求める。
       我の心を揺るがす生の渇望を今ここに見せてみろ。
       それこそは我の悦となる。
       不満は星の滅亡。
       心行くまで見守るがいい。
       星の終焉を握る審判を。
       星落とし――――――テンノミココロノママニオチシリュウセイ(天の御心のままにおちし流星)――――――。」


隕石落としの魔法が―――――クロノス自治区に展開された。



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禁呪魔法きた! どうみてもメテオです(がくがくぶるる)  詠唱長い!

ファンタジーの呪文を自分は思いつかなくて、いつもいつも躊躇って書き物の中に加えられないのですが、特に詠唱長いものは読む方もどきどきしちゃいますねえ。特に呪文の言葉とか。設定の根幹部分も見え隠れしますし。

容赦ねえ、といか。そんな魔法使わなくちゃいけないほどの存在(勇者)って…… なんで軍人やっているのか不思議!? 
きっと、自営業はまんどくさいのさとカレンはいいそうであります。

2010/02/07 12:04 | 節 [ 編集 ]


 

シェクスピア…!
マユルの一大事に覚悟を決めるシャクスピアがいい感じにお母さんです! うわあ、どうなっちゃうんだ、これΣΣ(゚д゚lll)!!?
勇者vs竜王のゆくえも、かなり、心配…。

2010/02/07 13:12 | 卯月 朔 [ 編集 ]


お邪魔します。 

シェクスピア、マユルくんに加勢するんですね。
しかも何だか凄そうな魔法も発動しそうだし。(^^)

この戦いがどうなるのか、非常に気になるところで…
また続きを読みに伺います。

2010/02/07 15:14 | 鈴代まお [ 編集 ]


節様へ 

節様へ
読んでいただきありがとうございます。
LandMでございますです。

ここまで読んでいただいただけでも感謝ものです。
本当にです。
結構飛ばして書いておりますので。


……それはともかく。
まあ、御察しの通り、そのまんまメテオです。ただメテオの中でもかなり低級の魔力で行使しているので、星にはあまり被害がなかったりします。もっと上級のメテオだと星の生態系に影響を及ぼします。とりあえず、設定上、そんな魔法を唱える人はこの世界にはいませんが。

カレンは一応資質の問題はあるにせよ、レベル99の勇者だと思ってくれればよいです。ぶっとばした反則級の強さなので。なんで軍人をやっているかは……お国(デュミナス帝国)が管理しやすいように軍人にしている……というのが正確な答えです。本人は別にそういうことはどっちのでもよかったので、それを受け入れているのです。……自営業は絶対にしないだろうなあ……カレンは。

何はともあれ、もうすぐ一区切り(一部の最終回)がもう間近まできているので、ここまで読んでいただきありがとうございます。

2010/02/07 15:22 | LandM [ 編集 ]


朔様へ 

ここではお久しぶりです。
朔様。
滅茶苦茶余談ですが、朔というのは可憐で聖上な香りがしますね。
……本当にどうでもよかったですね。

マユルにとってはシェクスピアは母親代わりですね。マユルは設定上、両親が物心付く前から死んでいます。拾ってくれたのが龍であったので、人間の母親というものの概念がなく育った子です。まので、二人の愛情はひと際あるものだと思います。

どうなっちゃうんだろう……という答えは次回ということで。
とりあえず、次の更新で一区切り(1部の最終回)になるので。

ここまでご愛読いただきありがとうございます。

2010/02/07 15:27 | LandM [ 編集 ]


まお様へ 

まお様へ。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
詠唱が長いと凄そうな魔法になるから不思議ですよね。
……まあ、もっとも詠唱という設定の根本がそれですから、安直な筆者です。

この戦いの結果は次回です。
ちなみに次の更新で一部の最終回ですので、お楽しみを。

……ここまで長かったような短かったような。
本当にありがとうございます。

2010/02/07 15:30 | LandM [ 編集 ]


 

最近暇ながらに忙しく久々のコメントを((

星落とし……………………………
メテオ的なやつですね
あルファンガードからシェクスピアへの変貌振りが凄いですね
シェクスピより強いマユルより強いカレン…………………
最強…………!!
しかも女性という……………
人は見かけに寄らないと言うか
見くびってはなりませんね(笑)
長々と失礼しました

2011/06/14 16:19 | 彩舞 夜千 [ 編集 ]


彩舞 夜千様へ 

そうですね~~。メテオですね。
ただこの魔法は本来の威力を備わってないので、小型メテオですね。
いうなれば、プチメテオとかいうやつです。

次元的にはクロンのほうが圧倒的に強いんですけどね。

2011/06/15 06:10 | LandM(才条 蓮) [ 編集 ]


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