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2001/02/08 (Thu) 5話『隕石発動』


マユル「―――――この程度では―――――倒せない――――――。」

マユルは自分としてはかなりのランクの技を出した。
しかし、それでもおそらくこのカレン・エスタークを倒すことはできない。
自分の身体はまだ少年である。
せめてこの身体が成人であれば―――――おそらくカレン・エスタークには負けることはない圧倒的な力を有することができるのだが。

恨んでも仕方ない。
そう思う。
今の現状で勝てる方法を見つけるしかない。
……今は撤退させることが最優先である。


先ほどの技の影響で大きな爆風が巻き起こっている。
視界が良くなっていない。カレン・エスタークの姿がよく見えなくなっている。
このまま逃げてくれればかなり楽なのだが――――考えて止めた。
そのようなことはありえない。
アレは生粋の戦闘好きである。
顔を見てすぐに分かった。







カレン「炎の紋章よ。」


――――その爆炎の中から詠唱が聞こえた。
まがうことなき殺気に満ちた声。
カレンがこの中にいる。

姿が見えないにも関わらず、他人を震えさせるほどの殺気と威圧感を感じさせた。
戦闘に慣れていない者なら間違いなく動けなくなるほどの威圧感―――――マユルは平然と見ていた。


しばらくは戦闘に集中したほうがいい。
この相手は他のことを考えながら勝てるような相手ではない。
マユルは思考を切り替えた。










カレン「わが名に応じよ。
    我はカレン・エスターク。
    炎に従属するものである。
    敵を燃やしつくさんと叫べ。
    斬撃によって焦げ付けよ。」


―――――――その瞬間、爆炎から真紅の勇者が現れる。
まるで、爆炎そのものが勇者の登場を演出するかのごとく。

整えられた赤髪。
貴族であることを示すイヤーカフス。
白銀に光り輝く聖剣。
ワインレッドで染められた礼服。
全てが―――――勇者そのものであった。








カレン「―――――灼斬。」

聖剣グラストは真紅に染まる。
カレンの炎の詠唱によって、剣の温度は急激に上昇している影響である。
全てを焼け爛れる灼熱の剣がマユルに迫っていた。


キイイイイイイ。

剣と槍が擦れ合う。
その摩擦によって――――――。







グウウウウウウウウウウウ。

炎が周囲に巻き起こる。
それでも、その程度ではマユルはものともしない。
カレンもそれが分かっている様子である。


ガギン!!
ギイイイイ!!!
グウンンンンン!!


灼熱の剣と槍の応酬。
一つ一つの斬撃と突きが必殺である。
かすり傷一つが致命傷となる。
なぜなら、少しでも怪我をした時点で戦闘そのものに影響が出てしまい、それが負けを呼ぶ。
命の命。
技と技のせめぎ合い。

勇者と竜王。
片方は人間を背負い、片方は竜を背負う。
その宿命を背負いし二人の意地と生命を賭けた競い合いであった。









それを邪魔する―――――――禁呪使いがいた。

シェクスピア「さがって!!!」

マユルの脳に直接言葉が埋め込まれる。
シェクスピアが魔法によって脳に直接メッセージを伝えたのである。

マユルは半ば本能的に下がった。
母なる存在の声と本能的な危険察知が彼を下げさせたのである。




―――――――――――――――――その瞬間、隕石がカレンのもとへと舞い降りた。

上空に直径1キロメートルの灼熱の隕石が魔方陣と共にやってきた。。
それに加えてシェクスピアのほぼ全魔力が込められている魔力灼熱隕石が飛来してきた。
それは正に星の生態そのものを変化させるような圧倒的な存在感があった。
世界の終焉を迎えるのか――――――そう感じさせる禁じられた流星がカレンのもとへと落ちてくる。












カレン「ちいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい。」


カレンは眼を大きく開けた。

この魔法はヤバい。
死にはしないが、それでも戦闘に支障が出る巨大魔法であることは間違いない。
マユルは絶妙なタイミングで避けた。
こちらが避けることはほぼ不可能である。
ならば、受け止めるなどの防御か。

最大魔力を放出して受けきる。
それがカレンの決断であった。


グウン――――――。

聖剣グラストに埋め込まれている宝石が光輝く。
その光は隕石すらも包みこむ、優しくそして生命を生む光であった。
聖剣グラストに埋め込まれている魔力はこの星全てを包むだけの魔力があった。
魔力はこの大地を、生命を、星をが生存するために必要な糧である。
その魔力全てがシェクスピアの放った隕石に包まれていた。


錯覚か。
隕石の落下スピードが落ちたように感じた。
それはカレンを守るために行った神の悪戯か。
彼女が勇者であるために生きることでさえ約束されているのか。


魔女の放った全身全霊の隕石。
それに対抗するために発生させた勇者の聖剣の光。



ギイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ。

紛うことなき聖剣の光。
その光る剣でカレンは―――――――――隕石を受け止めた。


直径10メートル。
シェクスピアの全魔力の隕石をカレンが押しとめる。
カレンがいくら大柄な女性であっても―――――それは人間の範疇であり常識の範囲内の女性である。
それが星を滅ぼすような自然災害に対抗するとはなんとおこがましいことか。

それ感じていても、カレン・エスタークは魔女の隕石攻撃を受け止める。
星を滅ぼすような隕石魔法に屈するようんでは勇者とは呼べない。そして、圧倒的な力を持たなければ勇者と呼ばれない。
それはどこの世界でも――――――どこの星でも同じことが言える。



ジイィ!!!

カレンの髪の毛と手袋から焦げるにおいがする。
あまりの熱量に装備がついていけてない。
カレンの装備は一般服装のそれであり、戦闘向けに特殊な魔力補正を加えているわけではなかった。
そのため、カレンの手袋は焼けただれ、そして髪からは上記のような煙が出てくる。


弱者はこれに屈するか。
それに屈しないのが強者であり、勇者である。
彼女は確信をもって吠えた。
そして、グラストを振りぬいた――――――――――。








カレン「私はカレン・エスタークだああああああ!!!この程度の禁呪で私に勝てると思うなよ!!グッゲンハイムに生きる勇者だああ!!時代を愛し、世界を愛し、人間を愛する!!」


ザシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ。

――――――――そして、カレンは斬った。
隕石を丸ごと斬ったのである。
隕石はまるで紙をハサミで切るかの如くたやすく斬った。



両断された隕石の残骸がカレンの近くへ所在なさげに崩れ落ちた。

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カレン強い……!
想像以上の強さでした。

マユルも強いし、シェクスピアさんの禁呪もすごいのに、それを受けきるなんて。

こんな圧倒的な強さに対して、どう対応したらいいのか。
ただ驚愕してます。

2014/11/24 09:52 | 椿 [ 編集 ]


椿 様へ 

カレンはバランスブレイカーなので、
想像以上に強いです。
恐らく誰も勝てない。。。
という設定でやっています。
この当時は絶頂に近いですからね。
対応は・・・難しいなあ。

毎度コメントありがとうございます。
\(゜ロ\)(/ロ゜)/

2014/11/24 18:46 | LandM [ 編集 ]


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